2020年4月16日木曜日

仲間由紀恵「トリック」シーズン1(全10話)を見返した

「トリック」(2000 テレビ朝日)は自分にとってこの20年でもっとも印象深いドラマ。脚本も演出もテーマも画期的だった。
たぶん、15年以上ぶりにTRICKシーズン1を見返した。セリフも次の展開もほとんど覚えていた。自分はこのドラマから今も強い影響を受けている。

本放送当時はVHSビデオテープに録画して見ていたはず。その後にDVDが出たときに何度も見た。本当にそれ以来に見返した。今はサブスク配信という便利なものがある。なつかしいドラマも簡単に見れる良い時代になったものだ。

日常において、せこいダマシのテクニックを見ると「トリックかよ!」と突っ込む。土俗的なものが残っている島とか見ると「カミヌーリ」かよ!とつっこむ。男女ペア凸凹コンビを見ると「上田と山田かよ!」と突っ込む。

トリックが始まったのが2000年、オウムの地下鉄サリン事件が1995年。もうオマエら騙されるなよ!ハルマゲドンとか予言とか空中浮遊とか、そんなもんないぞ!という社会への警告メッセージ。
自分にとって仲間由紀恵という女優は「利家とまつ」でもなく「ヤンクミ」でもなく、今でもほぼ山田奈緒子オンリーw  申し訳ないが、仲間由紀恵の他の役名を一切知らない。

当時20歳だった仲間由紀恵が今見ても明らかに美人!と改めて驚いた。眉毛の角度が凛々しい。ちょっと怒ってるように見える。

それに体型が華奢で驚く。TRICKの仲間由紀恵はいつももこもこに着ぶくれしていた印象が強いのだが、シーズン1は夏放送のドラマだったため仲間由紀恵が薄着。
このドラマはシモネタが多い。ヒロインはやたらと「貧乳」と呼ばれるが、実際の仲間はそんなことはない。
このマジシャンが浅草で手品をやってるのだが、いつも球が宙に浮くこどもだまし手品のみ。これでは客が来るわけがない。

仲間由紀恵なにより声質が美しい。それに表情の演技がとても適切で情報量が多い。腕がガリガリに痩せている。

このドラマは阿部寛にとっても仲間にとっても俳優業のキャリアにおいて、コメディー俳優として重要な転換点だったはず。ふたりとも後にさらなる大女優大俳優へと成長した。

エピソード1「母の泉」のころのふたりの演技がまだ固い。ふたりの会話は軽妙だが真面目。まだそれほどフザケてない。
自分はこのエピソード1が一番完成度が高いと思っているし一番気に入っている。
横溝金田一の雰囲気と、乱歩のようなバカ展開を、バカ演出デフォルメ演技でドラマにしてしまったことも一周回って面白い。
上田が信者(伊藤裕子)を逃げるよう説得するシーンの阿部寛はどこか石坂金田一の雰囲気だったように感じた。
カーチェイスシーンがどこか「ルパン三世 カリオストロの城」を連想した。

母之泉教団に北海道弁を話す女幹部がいたことに初めて気づいた。「したっけさ」「はんかくさい」などが北海道弁だということを自分は橋本奈々未から教わった。

エピソード2「まるごと消えた村」もエピソード5「黒門島」も好き。
BGMがガムランっぽいしピアノが現代音楽っぽいところも好き。シャーマンの奇声のようなBGMは今でもバラエティ番組でたまに耳にする。

このドラマで初めて知った俳優が多い。自分にとって篠井英介は今でも「ミラクル三井」だし、佐伯日菜子という女優はほぼ「パントマイムで人を殺す女」の黒坂。橋本さとしは今でもほぼ「千里眼の男」

最終回でマボロシの島に取り残された上田と山田。横からパンで主題歌を歌う鬼束ちひろが出て来た時は本当に面白かった。
このドラマは山田奈緒子と敵ボスキャラだけが頭脳明晰。それ以外はすべて天然バカ。
なつかしい俳優だらけだ。20年近くたつので鬼籍に入った役者たちも多い。

トリックシリーズはシーズン1が好評でマニアックな人気に火が付いた。製作者側は調子に乗ってフザケまくって駄作を粗製乱造してしまったのは残念。生瀬刑事と若い刑事のやりとりが自分はシリーズすべてを通してウザすぎてキライ。

トリックシリーズはすべて堤監督と蒔田脚本かと勘違いしていた。「パントマイムで人を殺す女」の演出は大根仁だったことに初めて気がついた。仲間と佐伯に「ドロン!」と言わせた大根は後に「モテキ」でまさみにも「ドロンしま~す」と言わせた。

仲間由紀恵が2014年に34歳でたいしてかっこよくもない中年脇役俳優と結婚してしまったのも残念。
仲間由紀恵と似た声質を出せる白石麻衣が20代前半でこの仲間由紀恵みたいな役に出会えなかったことも残念。

PS. 昨年夏に放送された「ピュア」での浜辺美波はトリック仲間由紀恵の後継者の資質十分に感じた。今後シリーズ化してほしいと思っていたら、ほぼトリックスタッフで「屍人荘の殺人」という映画ができた。

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