2019年12月29日日曜日

アガサ・クリスティー「死人の鏡」(1937)

アガサ・クリスティー8冊目の短編集「死人の鏡」を小倉多加志訳ハヤカワ文庫で読む。クリスティマラソン59冊目。
MURDER IN THE MEWS by Agatha Christie 1937
「死人の鏡」は1937年にイギリスで出版されたときは「MURDER IN THE MEWS」がタイトルだったのだが、なぜかハヤカワ版では「Dead Man's Mirror」のほうがタイトルになった。
4作品収録されている。前3本は中編。ラストは短編。では順番に読んでいく。

「厩舎街の殺人」Murder in the Mews
婦人の不審死事件。自殺か?他殺か?アタッシュケースが重要な証拠とみせかけて実はそうじゃないというミスリードがザ・クリスティ。

「謎の盗難事件」The Incredible Theft
パーティーが終わって仕事にとりかかろうとしたら国家機密の爆撃機設計図が紛失してた事件。大事にしたくないので内密にポアロに依頼。

「死人の鏡」Dead Man's Mirror
電報で名門貴族に呼び出されたポアロ、いきなり当主の自殺現場で面食らう。この作品が一番長いがトリックはとくにどうってことない人間ドラマ。

「砂にかかれた三角形」Triangle at Rhodes
ロードス島で休暇中のポアロ、ほぼ全裸女に背中にオイルを塗ることを求められる。読んでてすごく「白昼の悪魔」に似た要素を感じる。美男とそうでもない妻、美女とそうでもない夫、やがて起こる三角関係と毒殺事件。そう見えていることはそうじゃない。短いけど一番味わい深い。

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