2019年6月20日木曜日

村上春樹「羊をめぐる冒険」(1982)

村上春樹「羊をめぐる冒険」(1982)を講談社文庫版(2004)上下巻で読む。村上春樹を久しぶりに読む。タイトルから内容がまるで予測できない。

だが内容は予想通りのいつもの村上春樹。翻訳業から広告代理店へ手を広げ、それなりに成功した29歳「僕」の日々。酒、タバコ、音楽レコード、アメリカ文学、そしてセッ〇ス。ああ、やっぱりか!「やれやれ」と僕はつぶやいた。

主人公「僕」が耳の形がイイ女の子に自己紹介してるシーンで「エラリー・クイーンの犯人はすべて知ってる」と言ってる箇所で、「羊をめぐる冒険」というタイトルはエラリー・クイーンのパロディ?って気づいた。エラリーもいちおうアメリカ文学か。
村上春樹作品に特有のかみ合ってるようなかみ合わないようなオシャレ会話が延々と続く。

この本が面白いのはいちおう探偵ミステリーっぽい展開をしてるから。主人公は満洲帰り大物右翼の代理人から「羊」を探すように依頼される。それは脅しでもある。
友人の「鼠」が北海道から送り付けた手紙と写真と小説があり、写真にとある人物が反応した。

恋人と一緒に北海道を捜索する。いちいち設定と描写が細かい。北海道は70年代後半から離農と過疎で人口が流出し始めていたんだな。町の描写が寂れている。日本はずっと寂れている。

で、街から遠く離れた山の中に「鼠」の家を見つけてそこでひたすら待つ。本を読んだり料理をしたり掃除をしたり周囲を走ったりしてるうちに雪が降り始める。そろそろ雪に閉ざされる時期。
そしてそこに「羊男」がやってくる…。

なんじゃこりゃ?!というのが感想。読んでて退屈はしなかったけど、結局何がどうなってるのかよくわからずに終わる。これが村上春樹。ありがたい人には有難い一冊かもしれない。

続いて「世界の終わりとハードボイルドワンダーランド」を読み始めたのだが、開始数ページがエレベーターのどうでもいい話が続いてるのに閉口、結果、挫折。もう読まないかもしれないw

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