2019年5月31日金曜日

黒澤明「蜘蛛巣城」(1957)

まだ見てなかった黒澤明「蜘蛛巣城」(1957 東宝)を見る。

シェイクスピア「マクベス」(こちらも内容は知っていてもまだ一度も接していない)を日本戦国時代に移殖し脚色した戦国絵巻娯楽映画。

クロサワは「乱」という映画にもシェイクスピアを使ってたはず。冒頭の山城を駆け上がっていく馬のシーンとかなんか見覚えもある気がする。どのシーンも構図が写真のようにバッチリ決まってる。

もう現代日本人は昭和30年代の日本人の話し言葉を聴きとることも難しい。伝令が早口で言う口上のシーンが続くのだが、何言ってるのかぜんぜんわからんw 
聴きとれないし理解できないので事前にある程度ストーリーを知ってることが望ましい。
マクベス三船敏郎、目が異常にギラギラしてて感心する。昔の役者は馬を上手に操っててすごい。
森に迷い魔女の声を聴く。「もののけの仕業じゃ」
糸車を回す老婆が出現。唄うように未来を予言する。予言はすぐに実現する。

疑心暗鬼三船をけしかけるマクベス夫人が山田五十鈴。この人が重大な軍略の現場にもいるのが謎。今がチャンスと殿を誅殺するよう三船にささやく。存在と動きがまるで魔女だし化け物。ゆっくりすり足。犯罪の立案者で実行者。
警護の武士に加藤武がいることに声で気づいた。

この映画、本当に矢をひゅんひゅんと放ってるのだが、今見ると意外に怖くない。引き画だと特にそう。
だが、三船の顔すれすれに板にぶっ刺さる複数の矢は見ているこちらが怖い。三船は命が縮まるほどビビった様子。クロサワは無茶苦茶やりやがる。

これ、ジャンル的に幻想ゴシック幽霊ホラー? ドラマとしてのテンポが悪いような気がする。たくさんの鎧のカシャカシャいう音は良い。霧の中を木々がこちらにやってくる映像は他で見たことない。

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