2019年3月3日日曜日

越谷オサム「ボーナス・トラック」(2004)

引き続き越谷オサムを読む。今回は第16回日本ファンタジーノベル大賞で優秀賞を受賞したというデビュー作「ボーナス・トラック」の創元推理文庫(2010)。こいつも100円でゲット。

ひき逃げによって突然命を絶たれた20歳の若者の幽霊と、日々過酷な労働で店を回す某有名ハンバーガーショップ勤務の25歳が協力して、事故現場から逃走した黒っぽいスポーツカーを追う話。

自分は創元推理文庫というだけで、てっきりミステリー要素もあるのかと期待していたのだが、完全な幽霊ファンタジー青春小説だった。

この作者の本を読むのはこれが3冊目だったのだが、今作はぶっちゃけ失望した。軽妙な会話で楽しませるだけでまるで中身のない連ドラのような本。

とにかくハンバーガー店の日々の業務の忙しさを描いているのが冗長。それと幽霊男と仕事に忙しい男の無駄なやりとり。自分とはまったく合っていなかった。

だがひょっとすると、高校生大学生ならこういうの好きな人もいる可能性はある。

「階段途中のビッグ・ノイズ」があまりに素晴らしかったのでこの作者の本を選んだのだが、やはりそう傑作は生まれるものではなかった。「陽だまりの彼女」も読もうかと思っていたけど、もうこの作者の本は読まないかもしれない。

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