2018年5月23日水曜日

相沢沙呼「ロートケプシェン、こっちにおいで」(2011)

相沢沙呼「ロートケプシェン、こっちにおいで」(2011 創元推理文庫)を友人が持っていたので借りて読んだ。
KOMM HER, ROTKÄPPCHEN ! by Sako Aizawa 2011
相沢沙呼は「午前零時のサンドリヨン」につづいて2冊目。前作はどんな内容だったかほとんど覚えていないし面白かった記憶がまったくない。
ぶっちゃけこの作家の本はもう読まなくていいかなと思っていたのだが、1冊で判断するのは酷いので、今度はしっかり慎重に読み進める。

表紙を見てわかるように日常的謎解きラノベ。前作を読んだときは自分はやたらと軽いラノベ文体に慣れていなかった。いい大人には若者たちの会話を読むことはキツイかもしれない。
ドラマとしてしっかり頭にイメージしながら読んだ。たぶん、アイドル女優のB級C級学園ラブコメ映画とか見慣れている人なら想像しやすい。それでも登場人物が多く混乱した。

この1冊は5本の短編から構成されているようでいて、ささいなことで教室のリーダーグループからハブられ不登校になるトモちゃんの独白プロローグが各回にあって、そしてひ弱な主人公少年の目線で、ミステリアスな女子高生マジシャン酉乃初と謎を解く、ヒューマンドラマ青春ミステリー。

これがまた、トイレへ行って戻ってきた女の子が急に不機嫌になって帰った理由は?とか、友人がくれたエロ本が入った封筒が廊下でぶつかった女の子のと入れ替わってしまったので取り返さないと!とか、バレンタインのチョコが盗まれ一か所に集められていた!とか、ほんとにどうでもいいw

それに最後にヒロインがマジックをしながら「ちょっとイイ話」をするのが自分としては必要ないw
各話が一本の筋に収束していく。後半からトモとユカの友情が暑苦しい。ここが自分と合わなくて読むスピードを上げる。
だが読者は最初からダマされていた。

ケータイだけで繋がってる現在の子供たち。ラストで日本人の名前の読みのいいかげんさによる実はあれがあれでって叙述トリック的真実が明らかに!

ここ、かなりわかりずらくて困惑。最初のほうのページに戻って確認したり煩わしかった。子供たちの無駄の多い要領を得ない会話や動作がノイズとなって漫然と読んでいたためになかなか理解できなかった。もっとわかりやすく鮮やかに提示できた気もする。

自分、この著者の文体が苦手かもしれない。もっとシンプルに短くしてくれ。
あと、「調理実習室の親指」の件はどうなった?

「サンドリヨン」が60点だとすると、「ロートケプシェン」は75点。

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