2018年4月14日土曜日

エラリー・クイーン「ローマ帽子の秘密」(1929)

エラリー・クイーン「ローマ帽子の秘密」(1929)宇野利泰訳・1982年版ハヤカワ・ミステリ文庫(1989年第3刷)を手に入れた。100円でゲット。
THE ROMAN HAT MYSTERY by Ellery Queen 1929
こいつを読んでいる途中に別の店で、2012年新訳角川文庫を100円で見つけてちょっとブルー。パラパラとめくってみたけど、越前新訳のほうが宇野旧訳よりも登場人物たちの語り口がマイルドだし読みやすい印象。
けど、同じものがあってもな…と買わなかった。新訳版は数年後先に再読するときでいいかな。

ブロードウェイのローマ劇場で、第2幕中に悪徳弁護士が座席で毒殺(?)されているのが発見される事件。膝上にあったはずのオペラハットがなくなってる!?という点に注目するエラリーくん。
古本屋でフォークナーの初版本を買おうとしてるところを呼び出されたらしい。いい若いもんが古書初版本集めwとか感心しない。

1920年代ブロードウェイ劇場の様子があまり脳内画像になく、ややイメージするのが困難だった。
それにこの時代の警察は日本に限らずアメリカも市民の権利に無頓着。問答無用でその場に居合わせた観客を拘束&身体検査。犯人を捕り逃しても市民の権利か?犯人を逮捕するために権利を制限か?昔も今も難しいところ。

あと、シルクハットというやつをさわったこともみたこともないし。あれのどこに隠すのか?よくわからなくてモヤモヤ。

クイーン警視が半券の切った跡を比較する意味がわからなかったのだが、後半まで読むと、二人一緒に来た客のチケットは2枚重ねてもぎるんだとやっと気づいた。

ロジック操作だけで事件を解く本格派の傑作という評判だが、地味な事件でたいした展開もなくページをめくる推進力はないように感じた。劇場と被害者宅の捜索に終始。この内容としてはやっぱり冗長。

クイーン親子の仲良しぶりはわかった。少年召使ジューナの記述も多い。だが、最後の事件の真相を語る場面にエラリーくんが旅行に行ってて不在ってどうゆうことなの?結果、クイーン警視が自慢の息子エラリーを語るシーンになってる。

犯人は「え、誰?」ってぐらいに予想外。でも一番驚くのは、弁護士は仮の姿で恐喝のプロだった被害者が「バラすぞ」と犯人を脅してた理由。

この作品がエラリー・クイーンの第1作。序文にいろいろ初耳なことが書いてあった。クイーン親子ってイタリアの田舎に住んでたの?エラリーくんには息子がいるの?

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