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2017年6月16日金曜日

ポー「黒猫/モルグ街の殺人」

エドガー・アラン・ポー(Edgar Allan Poe 1809-1849)の「黒猫/モルグ街の殺人」(The Black Cat / The Murders in the Rue Morgue)は170年以上昔の大変に有名な作品だが、自分はまだ一度も読んだことがなかった。19世紀アメリカ文学として以前からちょっとは関心を持っていた。

ポーの生きた時代は日本で言うと文化6年から嘉永2年。将軍は6代徳川家宣から12代徳川家慶の時代w え?!ポーって享年40歳なの?それは若い死だった。

今回自分が手に入れたものは2006年の小川高義訳の光文社古典新訳文庫版。そこにあったので手に取った。108円で購入。

「黒猫」はこの文庫版だとわずか15ページ。5分で読めるw 酒におぼれて心が荒んでいく主人公が猫に暴力をふるうという、愛猫家にはつらい作品。やがて妻も斧で頭を叩き割って殺害。地下室の壁に埋め込んで塗り固める…という、詩的な文体で語られる怪奇幻想小説。

「本能VS.理性 黒い猫について」「アモンティリャードの樽」「告げ口心臓」「邪鬼」「ウィリアム・ウィルソン」といった短編たちをよんで、これは本当に本末転倒なたとえだが、江戸川乱歩の短編を読んでいるようだった。そう説明するほうがわかりやすい。講釈と自身の犯罪の吐露。
「早すぎた埋葬」を読んで「パノラマ島奇談」をちょっと思い出した。

「モルグ街の殺人」はパリの架空の街「モルグ街」の一室で母と娘の惨殺事件。デュパンという探偵が登場する。シャーロック・ホームズに先立つ推理小説の元祖。

だが、犯人の正体がいきなり超クセ球変化球w この話は有名すぎて、自分もなんとなく結末がわかっていた。
だが、本当にそんなことって起こりうる?というバカミスの元祖。

巻末の解説を読むと、日本で最初にポー作品を翻訳(翻案?)した饗庭篁村(1855-1922)は英語ができなかったって知った。
篁村訳「ルーモルグの人殺し」ではポーの序文のような箇所はバッサリカットw 自分も冒頭5ページは読まなくてもいくね?って思ってた。訳者もカットしたいって思ったそうだw

2 件のコメント:

  1. 川崎鶴見U2017年6月17日 0:55

    創元推理文庫から文庫全集が出ていまして、内訳は小説4冊と詩集1冊です。短命だったですね。
    ポーは基本的に短編作家で、SF,ミステリー、怪奇、ユーモア、どの分野も元祖のようです。
    私は「アーサー・ゴードン・ピムの物語」が好きです。これはポー唯一の長編で、海洋冒険怪奇SFです。最近のSF映画の元祖みたいなところがあります。
    あとポーの作品が面白ければ、S-FのパイオニアH.G.ウエルズの短編も気に入るんじゃないでしょうか。どちらも後に利用される様々なパターンを開拓しているせいか雰囲気が似ています。岩波『タイム・マシン他』と『モロー博士の島他』が手に入れやすいですが、光文社古典新訳文庫からは「盗まれた細菌-初めての飛行機」の表題の短編集が出ています。こちらは有名作は含まれてないけど、愉しい傑作ぞろいで訳文もいけてます。

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  2. ポーにSFがあるって知らなかった…。
    HGウェルズはよく名前を見かけるけどまだ1作も読んでません。今後注意して探してみます。

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