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2015年11月18日水曜日

スイートプールサイド(2014)

「スイートプールサイド」(2014 松竹)という映画を見てみた。
水泳部の毛深い女子と、毛のないツルツル男子を主人公にしたかなりユニークなテーマの作品。

主演の刈谷友衣子は橋本愛と仲がいいモデル女優。橋本が「一番よく一緒に遊ぶ」と言っていたので名前は知っている。そういえばこのふたりはちょっと似ている。

冒頭シーンで、女子生徒のウブ毛フサフサの手足に男子生徒が驚く。あれは視聴者もそのまま衝撃を受けたんじゃないかと思う。この役に挑戦することは10代の少女にとっては相当なチャレンジではなかったか。

「僕には誰にもいえない秘密がある…。」、ある意味もうひとつの「手紙 ~拝啓 十五の君へ~」だな。大人にとってはどうってことのない悩みでも、本人にとっては大きな悩み。思春期と毛の問題。

夏なのにひとり長袖を着ている少女。ひ弱そうで発育の悪い肌ツルツルの男子生徒に毛を剃ってもらうお願いをする。

橋の下で若い男が初めての剃毛。「い、行くよ…(汗)。」「す、すごいよ!」、このシーンは実際の演技に加えて、少年の野山での草刈や木を切る冒険の暗喩的なシーンが挿入される。

「お願い、脚も剃って!」「太田君、上手。」、少年は初めて触れた女子の脚の感触が忘れられない。もんもんと悩む。持ち帰った後藤さんのうぶ毛を自分のツルツルの腕に擦り付けて恍惚。
そして悩みを解消した少女は水泳のタイムが伸びていく。リレーの選手にも選ばれる。

やがて「腋も剃って!」となる。「袖をまくって剃るのは難しいから水着に着替えてくるね」、このシーンがジャケットになっている。プールでなく河原で競泳用水着って新鮮だね…と少年はつぶやく。確かにインパクトのある画だわ。

「危ないから動かないでね」「ウッ…」小さなうめき声をだす後藤さん。マジメなのか笑わせようとしてるのか、「毛」のことで出会った男女の話を描いて、同時に15才の性も描いてるな。誰にも言えない秘密を共有していくふたり。

やがて、太田君に好意を寄せる女子生徒(荒井萌)に目撃バレしてふたりの関係は終わる。

そして後半、少年は爆弾をつくろうとしたり、少女の毛を食べたり、最終的にアソコの毛を剃ることが目的になったり…と、やや頭がヤバくなっていく。なにしろ自分の体には毛が生えないのだ。狂気のようなものを見せていく…。

イケメンでチャラい風貌の教育実習生(落合モトキ)も加わって、谷崎潤一郎的な展開を見せていくのか…と思いきや、わりとちゃんとした爽やかな青春映画。画がパリッとハイキーで明るくて湿度を感じない。テーマがテーマなので、そこは狙ってそうしてるっぽい。エロのようでエロくない。少年が狂気は出すがエロ臭は出さない。

だが、どうしてこの少女は自分で毛を剃れない?みんな自分でやってるのに。ムダ毛の処理の仕方がわからない?カミソリを使ったことがない?

少女の家は川沿いの低い場所にある木造平屋。失業中で昼間から下着姿でタバコふかしてるだらしなさそうな父と二人暮らし。部屋をカーテンで仕切っただけのスペースで暮らしていた。なるほど、そういう住環境に原因がありそうだ。食べるものが「今日は卵しかない」とか。利重剛がこんなだらしない父親役はめずらしいな。

この映画はわりと評判がよい話題作だったみたい。自分も見てみて佳作だったと思う。ただ、毛を剃ってるシーンに挟まれる暗喩的シーンがどうしようもなくアイデアが不足している点が惜しい。

子役から成長した須賀健太、そして刈谷友衣子、主役のふたりは大熱演だ。刈谷友衣子はちょっと哀しい表情をしているところがいい。最後には救済がある。

刈谷の親友の橋本愛もこの映画を見ただろうと想像するが、親友と落合がキスしてるのをどんな顔で見ていたのか…と、ふと自分も谷崎的な想像をしてしまう。

刈谷友衣子はこの映画を最後に2013年以降の芸能活動をしていないっぽい。映画公開の舞台挨拶にすら出ていない。えぇぇ……、何か嫌な予感がする。

エンドロールを見ていてこの映画の監督脚本は松居大悟だったって初めて知った。

2 件のコメント:

  1. 押見修造の「惡の華」は、とんでもないマンガを読んでしまった衝撃があった。恥ずかし気持ち悪い真摯な少年少女物語。アニメ化されたら絵柄が酷かったけど。
    「スイートプールサイド」というのは、押見修造の初期の作品なんですね。知らなかった。しかし、こんなのまで実写にするものかな。冒頭の脚の映像はショッキング。(さっきYOUTUBEで観ました)

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  2. 原作者は有名な人なんですか。自分はまったくマンガの世界のこと知らないなあ。
    毛深い少女、マンガならいいけど、実写映像化はかなり大変だったかと。

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