2015年4月3日金曜日

網走番外地(1965)

高倉健を私的に追悼しようとずっと思っていた。網走番外地(1965 東映)を選んでみた。自分は高倉健というと「幸福の黄色いハンカチ」(1977)と「ブラック・レイン」(1989)、「鉄道員」(1999)しか見たことがない。ヤクザ映画は見る気が起こらない。

オープニングではオホーツクの流氷の映像。この映画、モノクロだったんだな。蒸気機関車が網走の駅に着く。腰縄をつけた男と警官が降りる。つい最近まであった昭和の風景なんだろう。あ、田中邦衛だ。この人、昔からぜんぜん変わってないな。そして「この冬が越せるかな…」と弱気になる老人、この人は嵐寛寿郎か?そして高倉健。「なにが零下20度だよ、ちっとも寒かねえよ」。

昔の人といっても昭和なのだが、日本人はつい最近までみんな落語みたいな喋り方だったんだな。雑居房の中では自己紹介が始まる。センパイ風吹かす威張ったヤツが高倉は嫌い。

妹からの手紙で母の余命が少ないことを知り焦る高倉。保護司の努力と他の囚人たちの逃亡計画と板ばさみのジレンマ。だいたいこの妹、獄中の兄に切々と語りかけて一体何を求めてる?早く脱獄してきてくれって言ってるようなもん。

結局高倉はなりゆきで逃亡に巻き込まれて泥沼にはまる。手錠をしたまま逃走し、ときにケンカ。これが醜い争い。相手の髭面男のずうずうしさは異常。

保護司・丹波哲郎が若い!平井堅みたいだ。猟銃持ってふたりを追いかける。

あの線路での手錠切断シーンは内側が正解だったのか?外側はもっと身を低くしないとダメ?

ずっと北海道の厳しい自然の風景の中を逃亡、最後は人情でほっと一息。高倉健の演じる男はいつも爽快。

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