2015年2月2日月曜日

舟を編む(2013)

三浦しをん「舟を編む」石井裕也監督で映画化した話題作をやっとDVDで見た。本は手元にあるのだが、最初の数ページは開いたのだが、まだ味読。映画版を先に見ることになった。130分ほどかかる長い映画だが、この内容はこれより短くはできないと思う。辞書編纂の15年を映像で見せてくれる長大で刺激のない人間ドラマ。

予告編を見ると、宮崎と松田のラブコメっぽく見えるけど、宮崎は脇役。悪く言うと退屈なドラマ。辞書をつくることが大変な作業の積み重ねなことは分かった。だが、特に人に話したくなるような驚きはなかった。

宮崎あおいが最初に登場するシーンは、おぉ、と唸るほど魅力的に出現する。10代のころからずっと見てきた、少女だった宮崎あおいが2015年にはついに30歳になるのか……と思わずにいられない。いつのまにか落ち着いた大人の女性になっていた。
こんな恋文、読めんわ!って怒ってる宮崎と松田が玄関で対峙するシーンは面白い。このシーンだけ浮いてる。この宮崎は誰もが好きになってしまうだろうと思う。

だが、松田龍平の演じる真面目なだけの主人公は変人すぎる。文豪か?という風貌。だが、このねっとりモソモソした謎の生き物を「私も好き」というのがわからない。主人公の住んでる下宿が「大正、昭和か!?」って感じの素晴らしい雰囲気で、美術スタッフに感心した。

出演者全員が日本映画界の名人クラスの俳優たち。若手監督が大多数に向けてまとめあげた一般的で地味な予想を超えない大作。このキャストならこうなるって計算できる出来栄え。コツコツ努力する若者が好きな日本の経営者たち、老人たちが評価しそうな映画。これはこれで良い映画かもしれない。

0 件のコメント:

コメントを投稿