2014年1月22日水曜日

東郷堂のおもちゃカメラ HIGHS HC35

70年代中頃まで、カメラで写真を撮るという行為はとてもハードルが高かった。光学機器であるカメラはとても高価なものだったし、カラーフィルムも安くなかった。子供にとってカメラを持つことは夢のまた夢だった。

80年代になってようやく中高生も安価なプラスチック製のコンパクトを持てるようになり、やがてレンズつきフィルム「写ルンです」が1986年に発売。90年代後半にデジカメが登場。そして携帯電話にもカメラがつくようになり、ほぼ全国民にカメラが行き渡った。


では昔の子供はどうやって写真を撮っていたのか?おもちゃのカメラがあったのだ。
昨年秋からジャンクカメラあさりに友人をつき合わせてしまったのだが、その友人がこのカメラをお買い上げ。HIGHS HC35 というカメラ。315円でジャンク箱の奥底から発掘。自分が興味を持たないトイカメラ的なものに興味を抱く。

プラスチックとアルミ製ですごく軽い。カタカタしてる。シャッターがフィルム暗室側からのぞくとバネが見えたりして、一見こわれているかのようだったが実はちゃんと動いていた。「レンズつきフィルム」のようなパンフォーカスでピントを合わせる必要がない。お天気マークのついたダイヤルで絞り(3段階)、シャッター速度(2段階)を合わせて写真を撮る。フィルムカウンターのデザインはオリンパスPENに似ている。

この謎なおもちゃカメラは1970年ごろ東郷堂という会社が作ったらしい。輸出もされたようで海外でもこれを使って写真を撮ってる人がいるようだ。

不明な点が多いカメラだが、あまりにカンタンな機構のシャッターは計測の結果、約1/100と1/70の2速と判明。あまり差がない。どうせならバルブがほしかった。

モルトでしっかり遮光して、自分と一緒に方々に試写に出かけた作例を紹介したい。フィルムはフジ業務用100、現像データ化はトイラボさん、データを縮小だけしたものがこれ
相模湖町嵐山
東京都東大和市 旧日立航空立川工場変電所跡

てっきりおもちゃカメラらしいぼんやりとした写真が撮れるものと想像していたのだが、十分実用に耐える画質だ。修学旅行に持っていってもいいカメラだ。

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