2012年10月3日水曜日

多部未華子の「サロメ」

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新国立劇場により制作された、平野啓一郎の新訳、宮本亜門演出のオスカー・ワイルド(1854-1900)の戯曲「サロメ」を見た。この上演にちょっとは関心もあったのだが新国立で観劇ってそんな上流階級みたいなマネはできないので放送で。

いつものYUI友が関心を見せる唯一の女優が多部未華子。録画しておいてくれたものを一緒に液晶プロジェクターで見た。
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「サロメ」というと自分の場合、なんといってもリヒャルト・シュトラウスの「サロメ」の音楽が好きで、対訳読みながら何度も聴いているのでだいたいのストーリーは頭に入っているのだが、あの世紀末の退廃的な倒錯した性的妄想ヒステリー少女を多部未華子が演じるというのがどうしてもイメージできなかった。自分にとって多部未華子は「鹿男あおによし」の女子高生だ。それほど他の作品をみたことがない。
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「キスさせて!その唇に。ヨカナーン!」

若くて美しいヨカナーンに一目ボレするも、激しく拒絶される。「穢れた娘!」

血の繋がらない父ヘロデ王に「王様、誓ってくださる?」と「7つのヴェールの踊り」の換わりに預言者ヨカナーンの首をおねだり。

奥田瑛二ヘロデ王、麻実れいヘロディアもすごかったが、多部未華子がすばらしい爆発力をみせてた。現代の日本人がまずしない、これでもかと詩的な装飾をほどこした台詞がおそろしく長い。自分だったら1分の台詞も覚えられないと思う。舞台役者ってマジ尊敬。
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物語終盤のモノローグが長大!これはそうとうな技量と体力が必要。未華子、すごいよ未華子‥。

多部未華子は1988年生まれだから、ガッキー、吉高 と同学年。この舞台での成果を目の当たりにすると、ちょっと抜け出た存在になったかもしれない。渾身の熱演。
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ヘロデ王の「その女を殺せ!」の叫びとともにブラックアウトで終わり。自分は舞台で上映される「サロメ」を見たのが初めてなので、演出については何も言えない。

サロメは16歳の少女だが、とんでもない初恋だ。

これはやっぱり見に行くべき上演だった。できれば今後、他の女優でも見てみたいものだ。

2 件のコメント:

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    多部未華子さん!他の女優さんにはない何とも言えないような魅力があると思います
    鹿男あおによしという児玉さん・・・

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    YUIファンにとって多部未華子は「HINOKIO」の男の子のままなわけだが。
    鹿男みて、児玉さんはもういないんだって‥。

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