「日本で2番目に高い山は何か?」 数年前まで自分はこんな基本的な問題にも答えることができなかった。「日本で2番目に高い山」とは南アルプスの北岳のことだ。
友人によると常識らしいのだが、以前は自分は山というものにまったく関心がなかったので存在すら知らなかった。まあ、日本アルプスなんて自分にはとても手が出せないのだが。
さて、友人の家にこの本があったので手にとってみた。高村薫の「マークスの山」。自分はそもそもほとんど本を読まないし、まして推理サスペンスのたぐいの流行作家の本なんて手に取ることもないのだが、ここ数日友人宅に居候し、友人も仕事で深夜まで帰ってこないので、この本を持って友人宅から歩いてお気に入りのカフェに2日間通った。
なんとなく、山岳小説にサスペンス的な本?ぐらいに思っていたのだが、暗~い気分にさせられる連続猟奇殺人。
しかも早々に巨大官僚組織としての警察の内部の醜~い争いばかり見せられる。縦割り、縄張り、キャリアとノンキャリア、出世争い。バカかと。
警察の男たちって30台半ばでみんなこうなのか?と。不快になり途中で読むのを何度も止めようと思ったけど、他にすることもないので読み通した。こんな長い小説読んだの久しぶり。
なにか背後に巨大などす黒いなにかがうごめいている感をず~っと意識させつつ、そこには到達しないので肩透かし。もっと最後に複雑に組み合わさったピースが解かれるのか?って期待していたのだが、自分の想像を超えなかった。
十数年前の秘密を共有しあうエリートたち…って江戸川乱歩の昔からよくあるパターン。犯人の両親が事件数日前に心中している件とか。関係ないのかよ!と。
ただ、徹底的にリアルに捜査と警察内部の様子を描いたことがウケたらしい。あと、犯人の環境の絶望的な暗さとか、看護婦との関係とかよく描かれているが。この本が気に入れば、この続編も友人宅にあったので借りようと思ったがそうはならなかった。
それほど面白くもなかった。ただ、会田という刑事が主人公なのだが、自宅が赤羽台だったり、第2の殺人が王子6丁目だったりと自分がよく知っている場所が舞台ですごくいきいきとイメージできる内容だった。
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