2010年1月19日火曜日

ラスト、コーション(2007)

アメリカ台湾合作アン・リー監督のベネチア2冠の話題作「LUST,CAUTION」(2007)を見る。
自分はてっきり「最終警告」だと思っていたら「色戒」だった。ずっと前に一度見ようと思ってそのままになっていた。女スパイという言葉に自分は弱い。

自分は大学時代第2外国語が中国語で当時中国映画をよく見ていた。ただ中華圏スターはまったく知らなかった。中国語の学習に役立つと思ってみていたのだが、今となってはなんの役にも立っていないし、卒業してもしばらく中国語の単語とかなんとか覚えようと努力していたのだが、今ではそんなことはまったくない。ちょっと心が痛い。無駄な努力だった。

そもそも大学なんてなんの役にも立たない無駄なものだと思い知らされるのがこの映画。日本占領下の上海と香港を舞台に大学の演劇サークルの愛国抗日な若者が夏休みに南京政府の高官暗殺を計画することから最期には刑場の露と消えるというやりきれない思いになるストーリー。

達成目前に男女の愛情から非情になりきれずにあと一歩で失敗する。人間ってなんなんだろう?はかない。

高官の夫人に近づくための上流階級を装う手間隙とか膨大な労力と情熱は今の日本の大学生にはまったく理解できないだろう。
唯一安保闘争とか連合赤軍とかが近い。演劇サークルに入らなければ?あの男(ワンリーホン)と出会わなければ?そのときの感情で暗殺計画に乗らなければ?大事な選択肢を間違わないようにしないと。

暗い気分になるストーリーとエグすぎる性描写とグロい場面があって休日を台無しにするのに十分な1本。
日本ではとうてい作れない壮大な大作。見ごたえたっぷりの名作だが、もう見ないかもしれない。

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