松本清張「蒼い描点」(昭和34年)を新潮文庫(平成22年69刷)で読む。この本は初めて読む。今までまったく読む本リストになかった。
新人編集者典子23歳は編集長の命令で、最近スランプ気味の作家村谷女史を箱根の旅館に缶詰にし定期的に原稿の進捗具合を確かめ督促する仕事。
村谷は勝手に別の旅館に投宿先を変えたりするワガママぶり。
やがて典子の嫌いなゴシップネタを雑誌出版社に売りつけるライターと箱根で顔を合わせるのだが、このライターは崖から落ちて転落死?!さらに、箱根に来ていた村谷の夫も姿を消す。
この本、読み始めたときは「もしかして本格?」って想った。ケーブルカーでしか行き来できない谷底の旅館という設定から。だがやっぱりいつもの松本清張だった。
近年、松本清張作品は海外で「日本のアガサ・クリスティー」として新翻訳が出てるらしいのだが、この作品は若い男女素人探偵が日本各地に仕事休みを利用して聞き込み捜査に出かけて行って会話するという点でアガサぽいかもしれない。
だがやっぱりダラダラ長い。描写がリアル追及のあまり細かい。658ページもある。途中で「こいつ誰?」という人も出てくる。
このストーリーと真相が面白いかどうかは別問題。自分はそれほど面白くないと感じた。この本があまり有名でない理由はそれか。
娯楽の少なかった昭和30年代の読者はタイパなど関係なく、ダラダラ同じ箇所をぐるぐる回る退屈展開であっても、これはこれで楽しかったのかもしれない。本で時間が潰せることが目的だったのかもしれない。
現代の感覚だともうちょっと探偵二人にラブコメ要素もほしい。みんな真面目すぎる。
あと、この時代の品川から名古屋への長距離トラック輸送便が、箱根の山道を越えて19時間もかかったということを知ってびっくり。運転を交代する2人態勢でびっくり。それが昭和30年代か。






















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