2025年7月8日火曜日

ドストエフスキー「悪霊」(1973)

ドストエフスキー「悪霊 Бесы」(1973)を新潮文庫上下巻で読む。
江川卓(えがわ たく 1927-2001)という訳者はロシア文学の世界でよく見る名前だが、今回初めて読む。この人は東大法学部卒でロシア語は独学で学んだと文庫カバー裏に書いてある。それはすごい。

農奴解放令以後のロシア青年をドストエフスキーなりに論評して批判した文学作品だと聞いていたのだが、上巻を読んでる途中から読み始めたことを後悔した。これは「カラマーゾフ」よりもさらにページをめくる推進力がない。読むのに5日を要した。

多くの人物が登場するのだが、この時代のロシア青年たちの容姿と風貌がなにもイメージできない。ロシア人の習慣も、日々ロシア史やなにかに触れようと心がけてる自分ですらよくイメージできない。

ニコライ・スタヴローギンという青年が主人公だとあたりをつけて読んでいたのだが、上巻ではそうでもない。
読んでいてどうでもいいホームドラマと人々の軋轢。細部が細かいしくどい。読んでてしんどい。長すぎた。
ステパン氏という家庭教師先生の言うフランス語がすべてカタカナ表記?

下巻だと話が革命家たち中心?人がどんどん死んでいく。
最後はスタヴローギンくんの遺書なのだが、これは発表時に雑誌側から掲載を拒否されたという。

「悪霊」というタイトルは「ルカによる福音書」から採られているそうだが、そんなことはたぶんほとんどの日本人は無関係だし知らないに違いない。この小説を令和日本人が読む必要性を感じない。いやもうドストエフスキーは読まないかもしれない。
たぶん、現代のロシア人もプーチンも悪霊が憑りついているに違いない。いやたぶんプーチンが悪霊。ロシア人はもうこれ以上世界に迷惑をかけるな。

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