2025年7月3日木曜日

赤川次郎「晴れ、ときどき殺人」(1982)

赤川次郎「晴れ、ときどき殺人」(1982)を1984年角川文庫で読む。3月に初版が出て12月で15刷になっている。この時代の赤川次郎は時の人。
今回手に入れた本は山梨方面へキャンプに行ったついでにBOで購入したもの。110円。
渡辺典子主演で映画になっているらしい表紙装丁。自分はまだこの映画を見たことがない。

また上流階級家庭が舞台のやつかよ…とページをめくる。19歳ヒロイン加奈子は心臓の悪かった母を亡くしたばかり。莫大な遺産を相続。
フランス窓と暖炉とマホガニー机のある豪邸の居間につぎつぎ人がやって来る。主治医、母の秘書、家政婦、ヒロインの婚約者、関連企業の社長たち、殺人容疑で警察から追われている青年、そして刑事。

母の過去には何か後ろめたい事件が?冤罪青年に偽証して死なせてしまった?加奈子は幼少時に誘拐された?

読んでる途中、これはアガサ・クリスティの「ねずみとり」や「招かれざる客」のようなおしゃれミステリー戯曲では?と思った。
厳密には戯曲でないのだが、ほぼヒロインの北里家の広い居間内部で起こるドラマ。これは舞台上演がちょっとの工夫で可能。

赤川次郎に感心した。こんなおしゃれな作風もあるのか。しかし、終盤にある関連企業社長同士の殺し合いはカオス展開。登場人物が多い。それに、どこの馬の骨ともわからない警察から逃走中の青年になんでそんな簡単に恋するわけ?ほぼ初対面でキスとかするわけ?「抱かれに行く」とか言うことがハシタナイ。

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