ひと月ちょっと前から気になっていたライブがあったのだが、予約を怠っていた。だが、午後2時過ぎになって急遽下北沢まで出かけることにした。以前ネット上で知り合った親切な方から「このライブ行ってみません?」的なお誘いを受けていたのだ。
会場に電話してみたものの誰もでない……。消防署のある通り、下北沢の中心をちょっと外れた会場のあたりを何となくうろついてみる。昼の部のイベント中で誰もいない……。
北風ぴーぷー寒いので、以前から行ってみようと思いながら一度も入ったことのないラーメン店に入ってみた。下北沢駅から近い
「ラーメン頭(かしら)」だ。このラーメン店は「ドクツボ 2011年7月31日」に登場する。
おそらくYUIが食べていたものと同じラーメンを入り口の券売機で購入しカウンター席に座る。おそらくYUIご一行が座った席は奥の一角。
ほどなくどんぶりが目の前に置かれた。YUIのように白ゴマをグリグリしていただく。ああ、おいしい!
もう一度ライブ会場へ行って見る。今度は人がいた。「1時間後電話してみて」とのこと。下北沢をうろつく。多くの買い物客で大混雑。なぜかたまたま入った店で、ビンゴで景品のお菓子を当ててしまった。電話するとあっさり今日のライブの予約ができた。
開場時間を10分ほど過ぎたころに会場へ戻ると、階段に列ができていた。
人が流れ始めてから行列に合流。3階にある店内に入る。コンクリート打ちっ放しの、バーカウンターとグランドピアノが設置してあるそれほど広くないスペース。木製の丸椅子が30個ほど置いてある。どうやら当日券もあったらしい。男女幅広い年齢層の客が集まっていた。
1人目にピアノ弾き語りの女性シンガー、2人目に映像を流しながら「あるあるネタ」を歌って披露するピン芸人のステージが終わると、どこかで見た事のある30代のニット帽の男性がギターと譜面(大学ノート)をセッティング。前の列に陣取った男女たちがそわそわし始め、ギターの写真を撮ったりしていた。自分の位置からだと何とも判断しかねるが、マーティン?
「出た!金髪ショートの美少女!」 きっちり左右に分けた金髪のっちショートボブとでも言おうか、生え際は黒、全体は明るい金色のツートンカラー。柄のあるグレーの大きめの長袖シャツ?ニット?よくわからない。ひとりで客席後方から現れて、自己紹介もなく、いきなりギターをポロポロと弾き始める。「お笑い芸人さんの後で、雰囲気を変えてしまうかもしれません……」 そして、歌い始めた。
こ、これは、flower flower というバンドが「インコの群れ」ツアー4曲目に演奏した「咲いた花を折るように~」という曲の弾き語りだ。「インコの群れ」でPAに置いてあったセトリ目撃談によると「トイピアノ」と呼ばれている曲らしい(なんでこの仮タイトルなのか、自分にはまったくわからない)。しっとりと歌い上げ、50人に満たない聴衆を魅了する。
「……。」無言の笑顔で客と間合いを計りながら、「だいぶ前に(ライブの)話をもらって、その時は予定が立たなくて。一昨日になって『どう?』って言われて。」「なので練習してないんですけど。」「思い入れのある洋楽の曲を……。英語とかデタラメですけど。」 さて、どんな洋楽曲がくるんだろう…と思ってたら、2小節ほど聴いた段階で、自分の心臓が2段階ほどギアがあがって早鐘を打った。こ、この曲は……ミシェル・ブランチの「Goodbye To You」じゃないか!
この曲はかつてYUIというシンガーが2005年にカバーしてライブで歌っていた……と認識している。今この狭い部屋で、金髪の少女が「Goodbye To You」を弾き語りで歌っている!譜面も見ずにずっと目を閉じたまま、顔をやや上に向けて。ああ、YUIと同じだ。完全に暗記してるんだな。
つづいて、8小節ほどアルペジオを繰り返すと、ツチャツチャとストロークを始め、「東名高速~」と歌い始める。この曲は「バイバイ」と呼ばれている曲だ。間奏部分ではどうやら「YUI語」で歌っていたようだ。「バイバイ…」でパウゼしたのかと思ったら、わずかな残響とともに終わった。弾き語りだとこう演奏するのか。
「喋りは毎回反省。シーンとさせてしまうのが得意(笑)。」と語っていた。続いて、ツチャーチャーチャというシンコペーションのストロークで「スタートライン」
最後の曲、「ビミョーな空気のままユッキーにバトンタッチしたいと思います」と、ゆったりとした「おはようのキスを」という曲を歌い、「最後まで楽しんでいきましょぉー」と、どこかで聴いたイントネーションで言い残して、やはり自己紹介も無いまま、客の横を通って消えていった。このアクトは完全なシークレット出演者だった。
この日最後のアクトは、このライブを企画した宮崎出身のシンガーの石原有輝香。アコギとピアノ両方で弾き語った。
最後に、この日の出演者を呼び込んで、「来年の抱負は?」と一同に質問。金髪少女(石原はゆいのすけと呼んでいた)は「毎年思ってるんですけど。速く走れるようになりたいっ!」で、どかんと笑いをとる。何だそりゃ。
と、長々と遠まわしに書いてきたが、ようはつまり、YUIは今でもシークレットライブに出ている!ってこと。4月にバンド活動がメディアで公式発表になって、「これでもうシークレットはない」と安堵していたのだが。
自分がシークレットにありつけたのは、教えてくれた親切な方のおかげ。他力本願(笑)。自分に教えてくれたという事は、何か書けということだと解釈した。この場で感謝したい。アコギ弾き語り「Goodbye To You」には本当にたまげた。この曲は今でも重要な弾き語りレパートリーだと判明したことも収穫。いいものを見れた。万感だった。この日会場に居合わせた50人は幸せだ。
ライブが終わった後、下北沢のもう1軒気になるラーメン店へ。ドクツボ2011年5月26日に登場した
「麺僧」という店だ。
YUIが食べていたものが何か不明だったが、おそらくこれ「ネギチャーシュー」じゃなかったかと推測。
YUIが座った席は入り口を入ってすぐ左側のテーブル席。同じ席は今回は遠慮した。
このラーメンもとてもおいしかった。全てに満足して幸せな気分で帰路についた。