2025年7月4日金曜日

竹本健治「眠れる森の惨劇」(1993)

竹本健治「眠れる森の惨劇」(1993)という本があるので読む。光文社カッパ・ノベルズの書き下ろし長編推理小説。
こいつは昨年秋に山梨方面へキャンプに出かけた先にあったBOで110円購入。
竹本健治はそれなりに有名なミステリー作家なのだが自分は今作が初めて。

函館・大沼の近くの山の中にあるミッション系女子高が舞台。日本人はこういう舞台設定が好き。綾辻行人「緋色の囁き」(1988)のような雰囲気があって良い。

寮生の問題児女子生徒2年生が校舎近くの森にある沼に死体となって浮かぶ。自殺?事故?それとも殺人事件?
さらに呪詛するような落書き。そして演劇部の美少女も謎の緑衣の怪人に襲撃され寮の窓から転落死。

この手のミステリーは登場人物が女子高生ばかりなので、どうしたって活字だけでは個性と特徴がつかみづらい。それにみんな美少女。剣道少女・飛鳥とミステリー好き少女・沙貴といったJKたちの活躍。

さらに、本因坊タイトルホルダー囲碁棋士・牧場智久(美青年)が突然登場。現在スランプ中でライバルたちとの対戦に苦しんでる。
そしてその彼女?都大会2位の剣道少女・武藤類子とペアになって事件の謎を解く。え、プロ棋士が女子高生とつきあってんの?なんで女子高生とふたりで北海道へ?
どうやらこの本は「智久・類子シリーズ」の第3作らしい。前2作を読まないとふたりの関係がよくわからない。

いや、それは合ってない。それほど事件を捜査してないし聞き込みもしてない。なんとなく謎が解ける。それも正しくない。たぶんこうだろうという推測を述べて終わる。

うーん、少女殺害とアリバイトリックは本格と言っていい。だが、このぐらいの内容なら中編でいい。満足度はほどほど。

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