白蔵盈太「一遍踊って死んでみな」(文芸社文庫 2024)という本を読む。
一遍(1239-1289)という鎌倉時代の仏僧で宗教家の存在は「時宗」と「踊念仏」という活字でしかその存在を知らない。「あら、一遍を主人公にした小説があるのか」と手に取った。
自分と一遍の接点。それは10年ほど前に片瀬の古民家カフェに立ち寄ったとき、そこがまさに一遍が過ごしていたお堂の跡地だったこと。紫の雲がわき出て花を降らせたという場所。
なんと現代の岩手県の高校生男子がタイムスリップ。一遍上人と時衆たちが岩手に遊行しに来ていて踊念仏に魅せられ弟子入り。
現代高校生目線での一遍との会話と一遍の生涯と鎌倉仏教の解説。それ以外はほとんどフィクション。現代の受験勉強に疲れた中高生が息抜きに読む本にぴったり。
一遍を宗教の改革者として描くよりも、カリスマロックスターとファンたちの全国ツアーのように描いてる。会話が現代の若者言葉。クライマックスは鎌倉でのウッドストックのような念仏フェス。南無阿弥陀仏のコールアンドレスポンス。しかし、北条時宗によって鎌倉入りを阻止される。
一遍のロックな生き様。そして主人公は青年になり、一遍の思想を後世に残すべく旅に出る。一遍上人絵詞を残す。そんな歴史小説。なんか、期待以上に面白かった。この本を読んだことで一遍という歴史上の偉人に関心がわいた。

0 件のコメント:
コメントを投稿