栗本薫「仮面舞踏会 伊集院大介の帰還」(1995)という本を読む。1998年講談社文庫で読む。
これは2年前の夏にBOで110円で見つけて購入。あらすじ書きをよんでなんとなく面白そうだと感じた。平成初期の帯付文庫だったのもラッキーだと感じて連れ帰った。
栗本薫(1953-2009)という作家は昭和平成とミステリーのジャンルで活躍した作家なのだが、長編を読むのはほぼ初めて。高校時代に短編のようなものは目を通したかもしれない。
これが「パソコン通信」時代のネット掲示板(会議室?チャットルーム)と現実世界で実際に起こってしまった「姫」殺害事件を、19歳浪人生とパソコンの画面だけで繋がる仲間とのやりとり会話で真相究明に乗り出す。
この時代のネット掲示板の流儀と技術と仕組みに慣れていないと読んでいてついていけなくなるかもしれない。自分は困惑した。
だが、途中から出てくる主人公少年が幼少時から馴染みのある伊集院大介という探偵が登場。この人がパソコンとパソコン通信の世界に馴染みがないので、主人公少年がしっかりレクチャーし、たちどころに事件の全容を把握。90年代中ごろのパソコンと仮想空間で「仮面」をつけて会話し行動する人々の性格と行動を読み解く。この探偵が恐ろしく頭が良い。
この探偵の最後の真相開示独演が、自分のカンが悪いせいか、その箇所に到達したときしばらく意味がわからなかった。
この本の内容は今も現実に起こってそうではある。とにかく野心的な力作だったことはわかった。その真相に驚くことはできた。それほど爽快感のある着地じゃないのもリアル。
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