2025年4月28日月曜日

【推しの子】-The Final Act-(2024)

昨年末に公開された劇場版「推しの子 -The Final Act-」をやっと見た。4月にアマプラで配信されたので。
原作は赤坂アカ×横槍メンゴ「【推しの子】」(集英社「週刊ヤングジャンプ」連載)。監督はドラマパートから同じくスミス氏。脚本は北川亜矢子。配給は東映。

自分が「推しの子」に最初に触れたのはYOASOBI「アイドル」から。そんな話題作ならチェックして見ようか…と思って、最初に見たのがアニメ版の第1話。映画版はこの第1話をほぼほぼ再現。
人気アイドル星野アイのファンの少女さりな(稲垣来泉)と担当医師雨宮吾郎 (成田亮)の交流、さりなの死、星野アイが雨宮医師の診察を受ける場面、不審者の出現と雨宮の殺害、さらに星野アイの不幸な半生、そして殺害という、ひたすらショッキングなシーンをおさらいして、The Final Actの幕が上がるというもの。ほぼ市川崑金田一。

ドラマパートが、あまりに制作陣の本気度と熱意が伝わってくる完璧な采配と出来栄えに圧倒された。そのまま同じスタッフでの同じクオリティでの劇場版。これが悪いものになろうはずがない。
この作品に参加したすべての俳優と、制作に参加したスタッフたちに感謝と最大の賛辞。
中でも、映画前半でドラマ以上に活躍していた星野アイ役の齋藤飛鳥の素晴らしさに感動。この役を齋藤飛鳥以上にしっくりぴったり演じられた女優が他にいたとはとても思われない。最初のオファーで「やりたくない」と誰もが恐怖を感じるに違いない、この作品の成功のカギを握る重大な役。

この役を演じた女優には何かしらの映画賞が贈られる必要性を強く感じた。日本アカデミー賞新人俳優賞は適切な選考だったと感じた。
主人公アクアが生涯をかけて復讐を誓った敵が、この質感と配分では誰もが納得できなかったかも。
このラスボスのヒールさと最悪さとサイコパス感は、映画という尺ではこれで十分だった気もする。
でもやっぱりあの最期は、ちょっとものたりなかったかもしれない。試写会会場からアイドルを拉致するとか、怪人二十面相かよ。
伏線がばばーっと回収される爽快感のようなものを期待していたのだが、やや裏切られた。

しかし、一番裏切られたのは原作マンガの読者ファンだったかもしれない。自分は原作マンガを読んでいないのだが、世間の反応を見ると、この映画ははるかに出来が良いと評判。
あと、すべてのシーンが重たくて名演技と名台詞だらけで名場面感が強くて、映画としてムダと冗長さと余白が少な過ぎたように思えた。みんな壮絶人生。これは視聴者がひたすら疲れる。
もっとゆっくり数年かけてドラマを見たかった気もするが、それだけ長く人気俳優たちを拘束することは難しい。やはりこのテンポ感で見ることが正しいかもしれない。
アイドルコンサートシーンがとにかくすごい。ほぼ完璧。みていてとにかくリアル。ほんとうにこのアイドルグループが存在し、ライブビューイングを見ているかのよう。

昨年の大きな話題となった「推しの子」が、もう終わってしまったという事実が淋しい。もうこのドラマ映画キャストのB小町が見れないと思うと寂しい。齋藤飛鳥のアイドルステージシーンがもう見られないかと思うと寂しい。

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