2025年3月3日月曜日

田中麗奈「がんばっていきまっしょい」(1998)

1998年秋公開のフジテレビ、ポニーキャニオン、アルタミラピクチャーズ製作による女子高生青春映画「がんばっていきまっしょい」を見る。
原作は敷村良子による同名小説。監督・脚本は磯村一路。制作に周防正行の名前がある。

この映画が田中麗奈のデビュー作。たぶん17歳。この映画公開の後にCMと映画女優として大活躍。当時は広末涼子に匹敵するぐらいの人気だった。
これ、自分は公開当時に新宿で見た。ビデオが出たときも見たし、DVDが出たときも見たはず。たぶん5回ぐらいは見たはず。
しかし、近年は配信もしておらず、TSUTAYAにもDVDが置いてないという状態で、見たいのに見れないという状況が続いていた。
だがしかし、昨年はアニメ映画が公開になったおかげか、WOWOWで放送。録画しておいたものを今になってやっと見た。

愛媛県各地でロケ撮影。映画冒頭はヒロインたちが短い青春を燃やした艇庫が廃屋になっている…という20年後から描かれる。(なんで?)
このシーン、見た当時はわからなかったが、小日向文世さんが出てる。

そして昭和51年春、ヒロイン悦子は愛媛県下イチの進学校「伊予東高校」へと入学。希望に満ちた高校生活のスタート。これも見た当時はわからなかったが校長先生が大杉連さんだ。
モデルはたぶん松山東高校。なんと大江健三郎の母校という名門。
数学教師がありえないぐらいにキモいしパワハラ体質。こんなのちょい絶望。
いきなり叱責して立たせられるし、テストを最下位順に配って来る。こんなの現在なら許されない教師。自分は見ていて何度も悪態。オマエは数学やってるだけのイチ教師だろうが!こっちは5教科勉強しないといけないんじゃ!

昭和のころは今と子どもの数が違う。大学進学率も違う。それは受験勉強が過酷。実家がクリーニング店なのに大学生姉(松尾れい子)はなんと京都大学生。それは強いストレスと圧迫。父はなんと白竜さん。怖い。
そんなつらい高校時代に短い青春を何か部活動に打ち込んでみたい。
ヒロイン悦子はいつも海をぼんやりと眺めていた。そこで高校生男子たちの競技ボート練習風景を眺めていた。なんとなく「ボート、いいなあ」ぐらいに思ってた。
この時代の青春ドラマ映画はなぜかヒロインが決意を固めるシーンは自宅の風呂場。なんで?

男子部しかないボート部に入部。女子部をつくるために仲間を集めるのだが、いったいどうやって4人も仲間を説得した?ヒロイン悦子にそこまでの人望が?
このメンバーたちの風貌がとてもリアルに日本の田舎女子高生で良い。(アニメだとみんな萌え美少女になってしまう。)大人になってから見るとヒロインたちがすごく子どもに見える。
初心者素人女子高生たちに誰もボートについて教えてくれない。男子先輩もなんとなく1回教えるだけ。初めてボートで海に出るシーンがトホホすぎる。新人戦でヘロヘロに醜態をさらしても仕方がない。このへんの描き方と台本がおじさんセンスで見ていたちょっと恥ずかしい。
男子部員が膝上短パン姿なのに、女子たちはふともものつけ根まで露出してるブルマ姿って、今見ると異常。

この大会だけで引退するつもりだったメンバーたちは燃える。ちゃんと指導してくれるコーチがほしい!
そこで東京から松山に戻っていた中嶋朋子コーチが登場。週1回見てくれるというのだが、すごくけだるい雰囲気。やる気がないしこちらを嫌ってる?!

ヒロインは熱意を伝えるのだが、そういうのは苦手らしい。ボートで強くなっていいことなんてないけど?というスタンス。
しかし、ヒロインとメンバーはやる気。新入生も1名入部。県大会のビリを脱出。しかし、ヒロイン悦子はときどき意識を失う。貧血?さらに腰痛で競技から離脱…。
この映画、なにが素敵かと言ったら、ボート競技の描き方。湖面がキラキラしてる。
そして、コックス担当のヒメこと清水真実の、悲鳴のような絶叫のような掛け声の必死さ。このシーンを見てると、何が彼女たちをそこまでさせる?とも思うし、見ている側も手に汗握るし、そこまで青春をかけられるものを見つけられて幸せだとも思う。正直、うらやましい。

2年生夏の最後の決勝戦。クライマックスでは音楽担当Lee-tzscheによる主題歌「オギヨディオラ」が流れる。ヒロイン悦子はまたしても全力でオールを漕いでる最中に気絶。
正直、決勝前のレースが自分としてはベストだったように感じた。それに、あの決勝の着順は視聴者に明らかにしないまま映画を終えてもよかった。

ヒロインが唯一異性として意識してる幼なじみ男子の無神経さとぶっきらぼうさに呆れる。しかし、あの悦子が気を失って倒れた雪の日の自転車シーンはよかった。
この映画はワニブックスからフォトブック「伊予東高校 女子ボート部 漕艇日誌」(1998)が出ている。(これは10年ほど前にBOで100円で購入したもの。)
撮影後にふたたびロケ地を訪れた田中麗奈のスナップをメインに、ロケ地マップ、スタッフ証言、シナリオなども掲載。(とても有用だが、すでに四半世紀経っている。当時のロケ地やお店が今もあるとは限らない。)
そして主演の田中麗奈は今年で45歳になる。こんな中学生みたいな少女がもう中年女性になっているとか哀しい。
この映画に出演した田中と同世代の女子たちは、この映画からほどなくして全員芸能活動を終了していた。田中であっても本人曰く「29歳ごろからぐっと仕事が減った」らしい。田中は後に医師と結婚したと聞いたけど、もう情報を追わなくなってたし気にしなくなっていた。近年になって再ブレイクの兆し。

0 件のコメント:

コメントを投稿