2025年2月4日火曜日

中公新書2807「グリーン戦争」(2024)

中公新書2807「グリーン戦争 ― 気候変動の国際政治」上野貴弘(2024)を読む。

人類共通の課題である気候変動の解決のために、温室効果ガス排出削減を目標に各国が合意したパリ協定(2015)だったのだが、米トランプ大統領が2017年に脱退を宣言。そして中国・インドなど新興国が条件闘争を開始し国際協調が動揺し…という、政治力学を産業、貿易、金融、エネルギーの観点から解説する一冊…らしい。

この本が出た段階では11月の大統領選挙の行方がどうなるかわからなかった。なので、第1章ではバイデン続投かトランプ復帰かで異なるシナリオを提示。トランプならパリ協定離脱?!

パリ協定にはNDC方式という、5年ごとに排出削減目標提出義務がある。COP21では「世界全体の平均気温の上昇を産業革命以前と比べて2℃より十分に低い水準に抑え、1.5℃以内に抑える度量区を追及する」という合意を得た。日本は2013年比で2030年までに46%減をNDCとして掲げた。
さらに、新たな争点が「カーボンニュートラルをいつまでに実現するか」。ドイツは2045年までに、日本、米国、カナダ、EU、は2050年が目標年。

第3章グリーン貿易戦争では米国のインフレ抑制法という波紋。EVへの税額控除は日本にも強い影響必至なので大きく報じられてた。
そして国境炭素調整BCA。脱炭素と自由貿易って両立できるの?

第4章は金融と気候変動。自分、「EUタクソノミー」って言葉がわからなかったw 

第5章エネルギーの脱炭素化と世界の分断。石炭火力を簡単にゼロにできない日本の難しい立ち位置。

といったここ数年間の世界の流れを押さえるお勉強。

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