樋口有介「誰もわたしを愛さない」を読む。小説現代増刊メフィスト1996年4月、8月、12月増刊号に掲載された後、1997年5月に講談社より単行本化。2001年に講談社文庫化されたもの。2007年からは創元推理文庫で発売。
今作は元刑事のライター柚木草平38歳による青春私立探偵シリーズ第6作にあたるらしい。自分、もうだいぶ樋口有介を読んできたけど、順番通りに読んでないし、もうどれも似たような事件と展開ばかりで内容の区別ができていない。
柚木は小学生娘・加奈子の進級祝いに2万円以上するエアマックスを運動靴として買わされた後、月刊EYESの新編集者・小高直海と初対面。渋谷のラブホテルで女子高生が絞殺された事件のルポ記事の依頼。
警察は行きずりの犯行とみているが、柚木は関係者に被害者女子高生について聴いて回っているうちに計画的な犯行では?とカンが働く。有名な女性ライターの弟が被害者と最も親密な交際をしていたらしい…。
この本は読んでいて二時代ぐらい昔で古くさく感じた。テレクラ、ダイアルQ2、ポケベルといった90年代に社会問題になった援助交際がテーマ。
それに柚木と女子高生たちの会話も古くさい。今回の話は会話の軽妙さばかり焦点。ストーリーとしてはありきたりで構成も特に印象にない。
柚木がその結論に引っ張られて、結果やらかしてる。さらに、「じゃあこうだろう」という結論も強引。その真相も柚木の一方的な説明で、読者を置き去りにするかのように突然終了。
自分はこの本はあまり印象に残っていない。もし自分が樋口有介をこの本を最初に読んでいたら、たぶん読み進めてなかったかもしれない。
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