2024年5月27日月曜日

今野敏「遠い国のアリス」(1989)

今野敏「遠い国のアリス」を徳間文庫版で読む。これは1989年に廣済堂出版から刊行が初。2010年にPHP文芸文庫化。そして2016年に徳間文庫化。
自分、この作家の本を読むの初めてなのだが、最初に読むのがこれでいいのかはわからない。どうやら異世界ファンタジーSFらしい。

ヒロイン菊池有栖は週刊マンガ誌に2本の連載を抱える人気漫画家。アシスタントの女の子と血走った目で原稿を仕上げるのに必死。なんとか間に合わせて編集者の西田(ちょっと怖くて気が合わない)に渡す。

息抜きに父の友人が持つ信州の別荘へひとり旅。隣が外国人の学者グッドマン博士。無口で気難しい。預かってもらっていた鍵を受け取って家の中へ。囲炉裏の薪に火をつける。
風呂も薪で沸かす。湯上りに囲炉裏でウトウトするのだがちょっと熱があるみたい。

この家にはなにか居る?怖いと思いながらそのまま眠ってしまうと夜が明けていた。そしてそこには編集者の西田がいる。なんで?今まで一度も親愛の情など見せてもくれなかった西田がなんだか親切。こいつは本当に西田か?しかもグッドマン博士も優しい人になっている…。

アシスタントの2人に電話すると、有栖は西田と婚約してることになってる?!有栖は旅に持参したフレドリック・ブラウン「発狂した宇宙」をめくる。これは自分だけパラレルワールドに来てしまったらしい。こっちの世界では鵺や座敷童が実在することになってるし。

そのことを西田に告げると西田は不機嫌。東京へ戻ろうとするのだが…。

並行世界をめぐって有栖、西田、グッドマン博士の3人の話し合いが続く会話SF。こういうの好きな人もいるかもだが、自分は正直それほど面白く感じなかった。

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