2022年5月10日火曜日

黒島結菜「明け方の若者たち」(2021)

「明け方の若者たち」を見る。カツセマサヒコ氏の同名青春小説(2020 幻冬舎)を映画化したもの。
監督は松本花奈。脚本は小寺和久。制作はホリプロで配給はパルコ。2021年12月31日に公開。R15+指定。

映画の始まりが2012年4月の明大前の沖縄料理店。大手企業に就職内定という勝組たちの祝勝会飲み会w 未来しかないから男女の出会いを求めてる。
ケータイなくしちゃった…という件、これはていのいい黒島側からのナンパ。「私と飲んだほうが楽しいかもよ?(笑)」

大勢での飲み会を抜け出して公園でふたりでハイボール缶。
こんな美少女と知り合いになれただけで、それは人生が楽しくてしかたがない。夢しかない。
ちょっと「おや?」と思ったのが、院生卒の黒島がアパレルブランドに内定しているのだが、「途上国の素材を使って…」の件。それはまさにアパレルの闇。将来に暗い何かを感じ取った。(ナチュラルに人を傷つける人という伏線か)

下北沢で観劇デート。餃子の王将で時間を潰してからホテル。その流れを楽しむ若い男女。女の側が積極的。
黒島のキスシーンとか裸で抱き合ってるシーンとか最悪w 黒島にはあまり若い男性ファンとかいないから別にいいのか?
おそらく東京で大学生活を送った人だけが感じ取れる何かを描いた映画。
むっつり北村くんとキリッとした眉毛の黒島結菜。お似合いのふたりのラブラブ風景を見て楽しもうという人のための映画。案の定、ストーリーとしては何も面白くない。若者の自然なやりとりを見てるだけ。

研修で作業服の辛気臭い総務部の職場を見るとすごく気分が落ち込む。思ってたのと仕事が違う。主人公も見るからにテンションだだ下がりになってるのがわかる。しかも担当トレーナーが山中崇。あの斜めハンコエピソードが軽く衝撃。思わずくだらねえ!と悪態をついた。
大学の卒業風景とか一切ないままいきなり社会人になってる。時の経過が季節で表現。

黒島目当てで見るなら、何かしながら流して見ていいかもしれない。黒島が出てきたら見ればいいかもしれない。黒島結菜が可愛すぎてつらい。
たとえ仕事が心を蝕むほどつまらなく辛くても、そっちが充実してたらメンタル的に大丈夫な気がするのだが。
とくに事件も起こらないし…と表ったら、印刷工場で作業員が指を切り落とす事故が唐突に起こる。これ、何か大変なことが起こるんじゃないかと不吉な予感。

また学生時代の公園シーンに戻るのだが、なんでそんな時系列?ここで「え?!」という情報が明かされる。
あの初々しい美少女とのラブラブの毎日は何だったんだ?という衝撃。
黒島演じる女が悪女。年下の男の子をつまみ食いしただけ?それは酷いだろ。
でもこういう構成で示したほうが酷さが視聴者に伝わるか。でもそんな手段をとるしか映画としてサプライズがないか。てか黒島はなんでこんな役を引き受けた?

あと、なんでバスローブ着たままやってるの?これは松本監督の趣味なの?意味不明…と思ってたら、二人の間でそういうルールを課していたのか?それならR15+指定だわ。

正直、見ようという気になれない映画だった。まず黒島結菜のラブラブ同棲カップルシーンとか見たくないw とくに男と一緒に入浴してるシーンとか地獄でしかない。そもそもバスタブ内で歯を磨くな。
後半は黒島の出番がない。
会社の同僚に誘われて性風俗店というシーンで佐津川愛美さん登場。だがちょい役すぎ。出番が少なすぎ。さいきんちょっとセクシーな役で佐津川さん率が高い。
学生時代「勝組」だったはずの友人がマルチ勧誘やってるとかリアルに怖い。

学生時代が終わった後の人生とはこれほどまで楽しくないものなのか。無間地獄。そんな若者を描く映画が楽しいわけない。大学生たちに「卒業したらもう何も楽しい事ないよ」と教えてるような映画。楽しくするのは気の持ちようと信じたい。
ほぼ同じテーマの「横道世之介」(2013)は素晴らしい映画だったなと改めて思う。

主題歌はマカロニえんぴつ「ハッピーエンドへの期待は」(TOY'S FACTORY)。
なお、黒島結菜目線のアナザーストーリー「ある夜、彼女は明け方を想う」も配信になってる。

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