2022年5月18日水曜日

ヒッチコック「汚名」(1946)

アルフレッド・ヒッチコック監督の「汚名」(1946)を見る。BSプレミアムで放送していたので録画しておいた。初めて見る。原題は「Notorious」。制作はRKOラジオ映画。

フロリダ南部地裁での裁判シーンから始まる。多くの記者がスピードグラフィックを携えて待ち構える注目の裁判ぽい。アメリカの裁判は被告が強い口調で裁判長に食って掛かるシーンがある。この被告がジョン・ヒューバーマン。国家反逆罪で有罪判決。娘のアリシア(イングリッド・バーグマン)には尾行がつく。

FBIエージェントのT・R・デブリン(ケーリー・グラント)が接触。いきなり一緒にドライブに行くのだがアリシアは完全に酩酊状態で100キロ超え。あぶない。やさぐれやんちゃ娘。
で、白バイ警官がバイクでやってくるのだが、そんな大きな制帽をかぶってバイクで100キロ超えて追いつけるのか?
デブリンは身分を明かすと警官は敬礼して去っていく。アリシアはこいつ政府の手先?という目。

デブリンは「父親の罪を償うチャンス」としてアリシアにブラジルで活動してるスパイとの接触を依頼。断るアリシアに父と娘の会話を盗聴録音したものを聴かせるのだが、この時代はレコード盤?!まだオープンリールテープも普及してない時代。
デブリンとアリシアはリオデジャネイロへ。機上でアリシアは父が毒薬カプセルで自殺したことを知らされる。

デブリンの上司たちはアリシアに大物スパイで父と友人だったセバスチャン(クロード・レインズ)にハニートラップ潜入捜査をさせるよう指示。え、エージェントとして訓練もしてない素人なのに?それにすでに愛してしまってるデブリンは心配。
そして乗馬クラブでセバスチャンと親交を結ぶことに成功。セバスチャンの家でのパーティーに呼ばれる。パーティー参加者の名前と国籍を探るように言われてたけど、自分なら3人ぐらいしか名前を覚えられないw

ついにアリシアはセバスチャンから結婚を申し込まれる。デブリンとアリシアは愛し合ってるのにお互い何も言えない。
セバスチャンの母がクローゼットや倉庫の鍵をアリシアに渡すのに慎重。とくにワインセラーの鍵は渡そうとしない。ワインの中に何が?デブリンと相談した結果、セバスチャンの持ってる鍵束からセラーの鍵だけかすめ取る。セバスチャンの監視の目をかいくぐりアリシアはデブリンをセラーに案内。ワインボトルの中から謎の砂を発見。
そこにやつが来た!デブリンはセバスチャンに誤解させるためにアリシアとキス。「無理矢理キスされた!」欧米って日常的にこういうことがよくあるの?
だがセバスチャンは鍵束からセラー鍵がないのに気づいて妻の正体に気づいてしまう!アリシアの身に危険が!

アリシアは毒を盛られて体調不良。医師が診察するのだが、医師がそのコーヒーカップを取ろうとした瞬間のセバスチャン母子の対応を見て何かを察する。

この時代はまだスパイといったらドイツ人?アクションとか一切ない地味で渋いスパイ映画。というより三角関係メロドラマ。サスペンス要素はワインセラーの鍵の演出でかろうじて感じられる。
今の時代の若者が見たとして、このラストを見たら「え、終わり?」だと思う。よほど細かい演出やカットにこだわって見る人には高評価らしい。

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