「ママレード・ボーイ」(2018 ワーナー)を見る。主演は桜井日奈子と吉沢亮。監督はまたしても廣木隆一。そして脚本は浅野妙子。
廣木監督の少女コミック原作アイドル主演スウィーツ映画が多すぎる。もうどうしたって女子高生とイケメンくんの学園ラブドラマに他との差別化なんてできない。どれも同じ。そこに三角四角関係と家庭の事情。
そして主演は岡山の奇跡こと桜井日奈子。この子は相変わらず可愛くならない。小さな劇団の個性派女優のような風貌。
小石川光希(桜井日奈子)と秋月茗子(優希美青)の会話の内容が不穏。親が離婚してパートナーを交換?!まるで佐藤春夫と谷崎潤一郎のスキャンダルを思わせる。
最初の学園風景ワンカット撮影からして異常。何度も何度もテストして本番撮影だったに違いない。
ヒロイン光希の両親が筒井道隆と檀れい。離婚報告が軽すぎる。「もともと親友同士みたいなものだったし」だからなんだよ。旅行先のハワイで意気投合(実は嘘)した2組の夫婦による「夫婦交換」だと?!
で、金髪男松浦遊(吉沢亮)と同じ年の兄妹になる。こちらの両親が谷原章介と中山美穂。両家が一緒に食事会するわけだが、どういう顔で会えと?
納得できないヒロインに対し、遊くんは「べつにかまわない」というスタンス。
え、シェアハウスを借りて6人一緒に住む?なんというトリッキーな設定。
この両家はご近所と世間様にどう顔向けして説明するつもりだ?おぞましいし淫ら。子どもの教育をどう考えているんだ?
部屋が隣同士。「仲良くしなさいよ。でも、好きになっちゃダメよ。」こいつら大人として失格。ヒロインをのぞいて全員が無神経w 視聴者の100%が呆れる。
遊くんは転校してきて光希と同級生になる。そういうとこ現実には無理のあるマンガ設定。さっそく女子たちが群がるイケメンモテ男。
光希には須王銀太(佐藤大樹)という仲良し幼なじみがいる。それは親に知られたくない情報なのに遊くんがしゃべる。こいつは屋根を伝わって窓から光希の部屋に侵入。こういうのどうすればいい?
このヒロインが遊くんと親し気に男と一緒のシーンを目撃しただけでBLの関係を想像。どういう思考回路をしてるんだ。
開始20分でもう遊くんのことを気にしてチラチラ見てんじゃん!そりゃそうなるか。
さらに遊くんの元カノ(遠藤新菜、こいつも金髪)が登場。「3か月付き合って別れたけど今も好きなの」とくぎを刺してくる。「誰ともつきあわない遊くんが3か月付き合った私は特別。」なにいってんだこいつ。ヒロインのこいつを見る目が怖い。
ヒロインは幼なじみとキスしそうになったりとイイ感じ。そして家に帰るとシャワーしたばかりの濡れ髪遊くんが上半身裸で歩いていて悲鳴をあげたりする。家でもこいつと二人きり。
この学校がかなり広いし設備も立派。授業料はいくら必要なんだ?
テニスの試合で銀太の相方が足をひねって急きょ遊くんが駆り出されるのだが、その場で銀太が光希に公開告白。見てて恥ずかしい。学校で男女が抱き合うな。アメリカじゃないんだぞ。
その直後にテニスラケットが当たるというヘンテコな事故で光希は昏倒。保健室で寝てる光希に遊はそっとキス。ああ、こういうマンガが少女たちには人気なわけだ。
3時間であっても夢中で一気に見てしまう映画もあるのだが、廣木監督の映画は2時間であってもとにかく長く感じる。時間がたつのが遅い。
光希と遊の会話シーンでも長回しでカメラはゆっくり動いてだんだん引き画になる。カットバック、フラッシュバックをほとんど使わない。これが廣木監督の撮り方。
BGMを最低限しか使わないのでずっと静か。音楽を担当したのは世武裕子。
ヒロインの親友茗子が教師と熱愛しててPTAで大問題ってことよりも、夫婦交換同居家庭の生徒も問題だろ。
さらに遊の出生の秘密。本当の父親は有名な建築家(寺脇康文)?いろいろ盛る。
一緒に住むようになって半年で光希と遊はラブラブ?!
だが、インセストタブー?!まるで横溝正史。自由すぎる恋愛の代償を子が背負う。
そして親たちの真相告白。なんだこの青春ミステリーは。でも今はDNA鑑定があるのに、なぜ一応念のため試さない?
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