この映画の存在をまったく知らなかった。乃木オタって卒業してしまったメンバーのことはほぼまったく追いかけない。なのでほとんど情報も見聞きしない。
プリペアドピアノみたいな音をバックに男の生活が描かれる。主人公太賀は脚に障害があるようだ。脚を引きずりながら出かけていく。
駐車場の片隅にある小屋でたいやきを焼いて販売してる女が衛藤。「ひとつください」この男は店の常連?毎日1個買うのが習慣らしい。
この男は大学の研究室に職を得ているようだ。自立した生活をしてる。
教授がでんでん。この教授が60年間毎日書いた日記を燃やした老人の話をする。
明るい時間からぐでんぐでんに酔ってるサラリーマンなんなの?駅近くに止めてある自転車を蹴ってるような、一目でそれとわかる危険分子。この泥酔男を触媒として男と女は親し気に会話を始める。お互い名乗り合う。女はこよみ。男は行助。子どものころの話などする。
この映画は4:3比の画面で作られている。淡々とした色合いの淡々とした会話劇。文芸作品を映画にしました感があふれている。
ああ、おせっかいと好奇心でコンビニでカップ酒泥酔サラリーマンとか尾行するな。
帰りに思い切って電話番号を渡してみたらそっとキスされる。男、雨の中で放心状態。
もうこれは完全な恋だなと夜もんもんとしてたらスマホに電話。女は事故で昏睡。脳に障害を負っていた。男は呆然となる。
こよみの母が河瀨直美女史。「あんた誰?彼氏?」否定するも「ちゃんとしたってな」「面倒みたってな」なんだこの押し付けかた。怖い。男はまた呆然。
店主が昏睡したままのたい焼き屋の店舗はどうなる?あの泥酔男は女の元上司でその土地の権利関係者?
2週間経って目を覚ました女は新しい記憶と古い記憶しかない。寝て起きると昨日の記憶がない。
男は女の家に引っ越し。新生活。世間から見れば完全に若夫婦。けど、女は毎日目が覚めると状況を理解できない。ここがどこかを確認し「雨あがったんだね」で1日が始まる。ずっとあの雨の日のままでいる。男はじっくり説明する。それは「50回目のファーストキス」のよう。
そしてたい焼き屋を再開。この店がけっこう常連客に愛されてたらしい。みんな1個買っていく。かわいいお姉さんがやってるのだから。常連客との会話が意外に知的。女は大学中退だったのか。ピアノを弾いてたのか。
ひたすら淡々と日常。どこかで何かムードの変わる暗転があるのでは?と恐る恐る見ていた。
女の昔の彼氏が登場。男は自分のことは覚えていないのに昔の彼の姿に怯えて嫉妬。さめざめと泣く。
出て行った女を足を引きずりながら追いかけて河原で夜明けを眺める二人。そして二人一緒に眠ってる。
タイトルのような静かな映画。文芸作品を読むことに慣れていない視聴者は退屈するにきまってる。退屈の中から何かを見出さないといけない映画。いかにも日本映画だが、こういう映画も必要。
衛藤美彩は声質がよい。ま、衛藤は誰よりも早く野球選手と結婚してしまったので、もう乃木オタたちの眼中にもないのかもしれない。今後も女優としてがんばっていくとは考えづらい。
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