アルフレッド・ヒッチコック監督の「ハリーの災難 The Trouble with Harry」(1955 パラマウント)を見る。BSでやってて有名な映画なので見た。
こどものころはもっとヒッチコック監督作品を熱く語る映画ファンが大勢いた。おそらく、ヒッチコック映画を子どものころみていたという層が社会の中心から外れた結果。今後いつか、ガンダムやエヴァンゲリオンも語る人が少なくなっていくだろう。
自分は昔からこの映画を、死体を発見した人々が右往左往しながら死体を隠そうとする話だと聞いていた。ちょっと違ってた。
バーモント州の田舎村のはずれの小高い丘にある林で頭を銃で撃たれた(?)男性の遺体が発見される。禁猟区で野ウサギ狩りをしていた老人が「自分が撃ったらしい」と死体を埋めようとする。
だが、そこに次々と人が通りかかる。村の要所でもないのに?村人もそんなにいないのに?
この村人たちがそろいもそろってみんな常識がない。身元不明遺体を発見した際に通常期待されるような行動を誰もとらない。それにはワケが?
最初の死体発見者が就学前児童だとしたら物事の判断がつかなくて当たり前だが、その子の若い母親もなんでその反応なん?死体を見て「ハリー?」と声を発する。前の夫なの?
このシャーリー・マクレーンの動きと質感がほぼ、自宅で脱力系YOUTUBE配信してるときの、ちょっと太ったときの本田翼とほぼ同じ。びっくりするほど雰囲気が同じ。自分は以前から本田翼を西洋婦人っぽいと感じていた。この人のせいだったのか。もう途中から本田翼が演技してるようにしか見えなかった。
絵描き男も死体を発見しておいて関係ない世間話に花を咲かせすぎ。呆れた。
終盤になって保安官代理が何かに感づいた様子。だが、そこから先は進展しない。サスペンス要素が少ない。なんかおしゃれなコメディ映画。やっぱり予想と違ってた。
だが、この映画はストーリー自体よりも、バーモントの田舎町の鮮やかな紅葉風景に驚かされる。
現在はユニバーサルからブルーレイが発売中らしい。アメリカ北東部ニューイングランド地方の田舎風景はこんなにも美しかったのか。自分が行くことは残りの人生でもうないだろうな。1955年の映画なのにこんなに映像が鮮やかでキレイだとは予想できなかった。澄んだ空気感も伝わってくる。これらの風景を見るだけでもこの映画は価値がある。そして、ヒッチコック映画というと音楽がバーナード・ハーマン。この「ハリーの災難」が両者が手を組んだ最初の作品。
0 件のコメント:
コメントを投稿