2021年8月26日木曜日

大政絢「ひとりで飲めるもん!」(2021)

「ひとりで飲めるもん!」というドラマをずっとリアタイで見てた。企画を知ったときてっきりテレ東かと思っていたらWOWOWドラマだった。今やドラマは配信で見る時代になってしまったのだが、これは毎週楽しみにして見てた。主演は大政絢。この女優の出演作を見るの久しぶり。

ヒロイン紅河メイ(大政)は化粧品会社の宣伝部門でバリバリ働くキャリアウーマン28歳。誰もが憧れる美貌と経験と頭脳、能力と機転によって毎日のピンチを切り抜ける。

厳しい上司(紫吹淳、おそらくこの人は監督から宝塚のような雰囲気で!と云われたに違いない演技をしてる)がいて、仲間や部下(村杉蝉之介、谷村美月、大友花恋)がいて、ライバル会社に気になるアイツ(桐山漣)がいて…という、ドラマでよく見る構成要素と文法で作られたトレンディな職場ドラマ。

かと思わせておいてドラマパートは前半のみ。職場の同僚部下たちが「何を食べたらあんなキレイになれるんだろう?」という眼差しを浴びながら、ひとり飲みに出かけていく。
そのすべてが大手外食チェーン。定番メニューにビールやウーロンハイで仕事を終えての一杯。北海道の父と名古屋の母とのハーフの娘は美味しいものを食べると「なまらうみゃあ~」と発声する。
それおかしい。中国系アメリカ人は「ベリーハオチー」とは言わないし、チロル地方のスイス人は「ガンツブオーノ」とは言わない。
しかし、「なまらうみゃあ」は幼少期のメイが両親が仲良くしてほしくて編み出した魔法の呪文…という説明が後にあった。

そして美味しいものを食べると体が縮む?!0.7倍ぐらいに縮む。なにそれ。「ミスター味っ子」とかなら巨大化して宇宙を遊泳するというのに、これは地味。

ああ、満足…という顔で余韻にひたっていると、近くの席の男が自分の知らないメニューで一人飲み。えっ、私の知らない愉しみ方をしてる人がいる…。
こいつがラバーガール飛永翼。毎回どの店にも先回りしたかのようにそこに自然にいる。自分はこの芸人をドラマでしか見たことがない。
このドラマはアンチ東京カレンダーだしアンチ美味しんぼ山岡。外食チェーンで割安に1000円ちょっとで飲んでそれで満足というライフスタイル。
個人営業の店主との人情ドラマとか、そんなものは一切必要ない!という割り切った態度。

とにかく今は外食産業がどこももれなく苦境。少しでも視聴者に「行ってみたい」「食べたい」と思わせることが求められる。そんなドラマ。

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