2021年7月26日月曜日

松岡圭祐「万能鑑定士Qの事件簿 Ⅲ」(2010)

松岡圭祐「万能鑑定士Qの事件簿 Ⅲ」(2010)を読む。これも友人の本棚にあったのを取り出して読む。第1話に相当する第1巻第2巻を読んでからかなり間隔が開いた。
自分がこのシリーズを知ったのが綾瀬はるかと松坂桃李主演の同名映画を見たから。

全開の力士シール編も予想外な展開を見せる壮大で荒唐無稽なクライムミステリーでだったのだが、今回の音楽プロデューサーによる詐欺事件も展開が予想外。

飯田橋ヒルズでとあるファッションブランドのショップだけが急に売り上げが落ちるという現象が発生。お金を振り込むよう恐喝の電話。客足が遠のいた原因とは?
巡り巡って小笠原記者を経由し凛田莉子の元へ話が持ち込まれる。
ジャスラックにお金を払いたくないために著作権フリーBGMを無料で配信してるサイトを利用していたことに凛田さんは注目する。

そして90年代にミリオンを連発し一世を風靡し今は落ちぶれ資金繰りに困ってる音楽プロデューサー西園寺響にたどりつく。こいつが怪しいビジネスでかつてのファンたち(40代50代)を洗脳しだましてるのでは?

音楽学校ビジネスに娘を犠牲にしようとしてる母も熱烈なファン。高校で留年しそうな娘が、よほど優秀な生徒でも全問正解できないはずの英語リスニングテストで満点を取れた理由とは?

小笠原と凛田はやがてインドネシア・アチェ州にまで西園寺の怪しいビジネスを追いかけるも、詐欺事件のしっぽをつかめない。

だが、凛田莉子は博学さにおいて古今の名探偵たちの中で史上最高の情報知識量。茶器の鑑定からビルに関する法令、世界情勢までいちいち細かく何もかも知っている。よほどの天才でもネット検索してやっと気づくようなことを瞬時にロジックで割り出す。一般人が見過ごす不審な点にくらいつく。
この女鑑定士(20代前半でしかも美人)の前では誰も嘘ごまかしが効かない。ちょっとマンガっぽいほどのスーパーマン。

これも映画やドラマ脚本のような一冊。凛田と西園寺の最後の対決は読みごたえと味わいがある。これがなければただひたすら小室哲哉をディスってるだけの本になっていた。

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