去年はコロナの影響により無観客でのやや寂しい授賞式だった。今年の授賞式も東京は多くの新規感染者が出てる緊急事態宣言下。
だが、去年と違ってコロナと闘う経験を蓄積した状態で観客も入れての開催。希望を持って前を向いて歩く。
2020年度は映画の劇場公開が困難だった年として後年まで記憶されるに違いない。洋画は軒並み公開延期。そんな中で多くの邦画が記憶に残った年。(「スパイの妻」が選考基準から外れた件には自分も言いたいことはある)
日本アカデミー賞にケチをつける人が多い。だが、毎日映画だろうがキネマ旬報ベストテンだろうが、誰しも納得の結果になる映画賞は存在しない。大規模な話題作に向けた賞、小規模で批評家に評価されるような映画のための賞、いろんな規模の賞があってかまわない。多様性とすそ野が必要。日本アカデミー賞ほど授賞式を華やかに開催してテレビ中継してくれる賞は他にない。
長澤まさみは2020年も馬車馬のごとく日本映画のために働いた。フジテレビのつくる娯楽作映画と、重たい社会派の映画。映画女優長澤まさみは人気と実力の両方で評価されるように出演作を選んでる。
今年の長澤まさみは「MOTHER」「コンフィデンスマンJPプリンセス編」の2作品で主演女優賞ノミネート。2年連続でのアカデミー。すごい。
まさみと同世代の人気女優でも映画賞とはぜんぜん縁のない人も多い。話題作に出演し評論家筋から評価されないとこの賞には呼ばれない。映画ファンに評価される作品を引き当てる運も必要。それら条件をクリアして毎年のように登壇してるまさみはすごい。平成令和を代表する女優と言って間違いない。
昨年、最優秀助演女優賞を受賞したことで、まさみはプレゼンターとしても登壇。最優秀助演男優賞として渡辺謙さんの名前を読み上げ、トロフィーを贈呈。
今年のドレスはまあまあ期待に沿うものだった。今のヘアスタイルは自分はあんまり好きじゃない。かなり小泉今日子さんっぽい。
小松菜奈、広瀬すずも主演女優賞を受賞。まさみと一緒にステージへ。小松菜奈は顔が個性的。すらっとしててスタイルがよい。
今回の広瀬すずはこのヘアスタイル。うーん、あんまり可愛くない。
今回のすず主演映画は自分としてはまったく笑えないクソコメディー映画だった。
長澤まさみが最優秀主演女優賞を「MOTHER」での受賞した。だいたい予想はしていたものの、やっぱりまた今年も最優秀賞という結果には震えた。またまさみが遠くへ行ってしまったようで、嬉しくもあり悲しくもある。
まさみはスピーチを始めようというとき感情が高ぶって言葉につまった。涙が頬を伝った。そして語り始めた。
本当にたくさんの方に支えられなければ映画作りはできないんだなということを、去年身に染みて感じました。きっと、本当は作りたかった映画を去年作れなかった人たちもたくさんいると思います。そして映画も公開できず先延ばしになっている人たちもたくさんいると思います。その中で映画を公開してたくさんの方に観に行っていただけたことが本当にうれしいですし、これからも誠実に映画作りに向き合ってがんばっていきたいなというふうに思います。本日は誠にありがとうございました。
美しい涙だった。まさみは自分の事よりも、昨年映画が公開できなくなったりした映画関係者たちのつらい気持ちを代弁した。
まさみは日本映画を代表してスピーチしたような感じ。おそらく事前にこういう話をしようと準備していたのかもしれない。まさみはどっぷり日本映画と一体化してる。映画人はまさみの同志。
この賞を受賞したことで来年度の授賞式MCをまさみが務めることになった。まさみはまだ一度も司会をしたことはない。これは楽しみ。来年まで生きなければならない理由がひとつできた。
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