2021年2月1日月曜日

激動の昭和史 軍閥(1970)

ひきつづき東宝8.15シリーズ「激動の昭和史 軍閥」(1970)を見る。
これまでは悲惨な戦争の終結を見て来たのだが、今回は陸軍大臣東條英機が首相となり独裁色を強めていく時期を描いてる。これも戦後25年という、まだ人々の記憶が鮮明な時期の戦争回顧映画。監督は堀川弘通。ナレーターが「沖縄決戦」と同じく次元大介小林清志

このシリーズはキャストがほぼかぶってる。米内海相が「日本のいちばん長い日」と同じく山村聡。山本五十六が三船敏郎だが、このふたりはほとんど出番がない。名前だけ出演。
嶋田繁太郎海軍大臣(細川俊夫)が実際のイメージとかなり違う。

小林桂樹の東條英機は意外。残されたフィルム映像を見ると東條の声はカン高い。
自分、東條はヒトラーみたいな独裁者でなく、頭の切れる事務方トップ官僚ぐらいに思ってた。この映画では独裁志向が強く描かれてる。戦争遂行のために権力を強引に集中していく。
加山雄三がもう一人の主役。大本営発表が嘘っぱちであることに気づく毎日新聞記者。
毎日記者であっても陸軍の顔を伺った忖度記事しか書けない。めんどくさい奴は政治部記者から外される。
加山は陸軍を怒らせて召集令状が届く。酷いのが近所の人々も招集されサイパンへ送られる。そのなかに恩師の先生天本英世がいる。「日本のいちばん長い日」では狂った気持ち悪い軍人だったのだが今回はまるで違う役。

サイパンが玉砕し陥落すると東條も首相の座を退く。東條を担ぎ上げた陸軍のイッちゃった青年将校たちの言う事が酷い。「首相になったら保身に走った」
責任のある立場になればただ要求を声高に叫ぶばかりではいかない。
総辞職後も総理経験者として最後まで昭和天皇の御前でも持論を強弁。

「軍閥」はたまにテレビで見るドキュメンタリー+再現ドラマみたいな構成。一部戦闘シーンを特撮で描いてる。正直、それほど新鮮さはなかったが、新聞記者の目線があってドラマとしてそれなりに興味を持って見れた。

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