2020年12月30日水曜日

多部未華子「アイネクライネナハトムジーク」(2019)

伊坂幸太郎の原作小説を映画化した「アイネクライネナハトムジーク」(2019 GAGA)を見る。原作は昨年の映画公開前の半年ほど前に読んでいた。だが、もうあまり覚えていない。

これまで見て来た伊坂映画はすべて中村義洋監督によるものだったのだが、今回は今泉力哉監督によるもの。この小説は短編オムニバス。一本の映画にするには脚本も演出もいろいろ難しい。今泉監督は人気監督の道を歩み始めている。
音楽が斉藤和義なのは同じ。仙台が舞台なのも同じ。

主演は三浦春馬多部未華子。「君に届け」カップル。このふたりの路上での出会いはサダコと風早くんだったわ。
多部ちゃんはこの映画公開直後に交際3年の写真家と結婚を発表。
そして、三浦春馬。この俳優がいかに人気俳優だったか思い知ってる。何を見ても出ている。喪失の哀しみ。
駅前でアンケート調査…って、斉藤和義を聴く人なら誰でも「ベリーベリーストロング~アイネクライネ」(2007)だとわかる。そこからこの映画へと発展。

駅前で通行人をつかまえてアンケートという個人情報を得るには何かモノで釣るなどエサが必要。ただ「アンケートを…」では無謀。命じられた側は罰ゲームみたいなもの。ああ、パソコンにコーヒーこぼしてデータ喪失の罰ゲームだったか。そんなものにつきあわされる通行人って、あまり好きじゃないシーン。三浦春馬を見るだけで切ないのに悲哀シーンはさらに切なくなる。

あと、もう今どきの日本人はあまり街頭でボクシングの試合に熱狂しないのでは?とも思った。ヘビー級チャンピオンというのも現実的でない。あまりヘビー級らしい試合でもない。

聴覚障害がある中学生をイジメる同級生とかなんなの。そんなことしたら内申書とかでもう社会にまっとうな道を歩けないだろ。「期待させないでください」と殴り書きの手紙を送る姉とかなんなの。そんな手紙は本人に渡すな。

貫地谷しほりMEGUMIの美容院会話も原作と質感が同じ。MEGUMIは昔から意外に演技が上手くて感心する。

10年後とテロップ。そして萩原利久が出てくる。恒松祐里も突然出てくる。恒松祐里は色白で細くて気が強そうで良い。ちょい乃木坂の桜井に似てる。
ああ、思い出した。駅の駐輪所の60円シールをパクる老人という嫌なエピソード。この老人がなぜにそんな自信満々?なぜスマホで動画撮影しておかない?シールに指紋だって残ってる。こういうことは高校生だけで解決するのでなく、しっかり警察と相談して証拠を得て社会的に抹殺しろ。映画は気持ちのよいシーンだけ見たい。

恒松の両親が矢本悠馬と森絵梨佳という展開。年齢そんなに違わないだろ。矢本がJK娘がいながらAV鑑賞を趣味にしてて笑った。

春馬は多部ちゃんと交際10年。同棲もそうとうに長いらしい。レストランでムーディーに食事。だが無言だし一緒にいて楽しくなさそう。路上でなんとかプロポーズするも多部は何も嬉しそうじゃない。「ちょっと考えさせて」「私たちなんで一緒にいるんだっけ」
この映画、10年のインターバルを描いてて誰が誰とどう繋がるのか推測しながら見る。多部は塾で働くようになってた。

でもってボクシング世界戦へ、いろんな人々の人生が交差。
この試合が10年結婚しなかったカップルのきっかけになるのか?と予想して見てた。関係ないのかよ。ストリートミュージシャンもあまり関係ないのかよ。

原作小説もそうだったけど、いろいろ分かりづらくて爽快感を感じない映画。それほど感心もしなかった映画。イジメられてる少年の10年後とかあんまり驚きもない。「フィッシュストーリー」みたいにはいかない。
多部ちゃんが「ただいま」で終わりでいいのにって思った。みんなひたすらしみじみしてる映画。

あと、仙台のファミレスはご注文を復唱して間違いないか確認しないのかよ。仙台にはクレーマーじじいしかいないのかよ。
ベリーベリーストロングでもよかったのだが、斉藤和義は「小さな夜」という主題歌を書き上げた。

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