2020年11月22日日曜日

宮崎あおい「初恋」(2006)

中原みすずの原作小説を塙幸成監督が映画化した「初恋」(2006 GAGA)をDVDが出て以来10数年ぶりに見返した。

当時アイドル女優として人気絶頂にあった宮崎あおい三億円事件の真犯人役を演じて話題になった。宮崎あおいが好きな人は当時ほとんどすべてが見たはず。
それに今も活躍中の柄本佑、青木崇高といった俳優たちも出演している。
主演の宮崎の次に小出恵介の名前がある。東大生インテリ不良役。小出は当時から人気俳優。

宮崎あおいが実の兄である宮崎将と役柄上でも兄妹として共演していることも話題になったはず。
映画の中で兄が裸の女と寝ている姿とか、妹宮崎あおいはどう見たのか?でもすでに20歳ぐらいのころだから何とも思わなかったかも。
最近は宮崎兄をまったく見かけない。調べてみたらここ5年以上活動がないので実質芸能界を引退しているのかもしれない。

宮崎演じるヒロインみすずは叔母の家に預けられ居場所がなく、夜の盛り場をうろついてやがて小出や宮崎将らのたまり場に出入り。
60年代後半の高度成長が進む東京新宿の雰囲気がすごくよく出てる。新宿駅南口とかガード下とか、中でも新宿伊勢丹の前を路面電車が走ってるシーンとか、ネオン広告とか張り紙とか、ジャズを聴く若者とか、当時を知ってる人は懐かしくてたまらないかもしれない。時代は安保闘争。学生と警察官は殴り合い。酷い時代。

貧しい人々はやさぐれた生活。ヒロインの母は昼間に下着姿で飲んだくれ。そりゃ兄妹も不良になる。
不良グループの紅一点だった気の強そうな美人は小嶺麗奈。この映画では宮崎兄と一緒の布団で裸で寝てるシーンがある。脱いでる。
(この人は広末涼子や田中麗奈と同世代で十代半ばから映画で活躍していたのだが、だんだん露出が減りKAT-TUN田口淳之介との噂になってさらに人気低落していった。2019年には大麻取締法違反で田口ともども逮捕されてしまった。いろいろと可哀想ではある。)

ヒロインはニットにミニスカでブーツ姿なのだが、これは現在でもオシャレな女の子として通用する。
バイクに興味を持つ。薄汚れたバイク店でそこにあったバイクに乗ってみる。免許もヘルメットもないまま公道で、自転車にも乗れないのにいきなりバイクで走りだすw そんなの自分はビビッて絶対にできない。
このことが後にあの白バイ警察官へとつながる。ひさしぶりにバイクに乗ってる宮崎あおいを見て、今の広瀬すずと同じように可愛らしいと思った。
仲間を半殺しのボコボコにした警察と権力を憎む岸(小出)はみすずに「計画」を持ち掛ける。それが現金輸送車から金を奪う計画。

事件当時の府中国分寺の道路と街並みは今ではすっかり変わってるはず。この映画はすごくよく昔の町並みがリアルに感じられる。車もバイクも。府中刑務所の壁も。
エンドロール情報によれば北九州や新潟など各地でロケをしたようだ。

雨でバイクが動かせない、トラックのビニールシートを引きずるなどのハプニングはちょっとドキドキ。
20歳の頃の宮崎あおいの新進人気アイドル女優としての魅力あふれる役柄。今見ても宮崎あおいに感心した。とても懐かしく感じた。

宮崎も今では2度目の結婚をして子供もできて30代半ばになって、もうさすがにかつてのように人気女優というわけにはいかないかもだが、女優として色々なタイプの映画を残した。申し分ない活躍をした。

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