増村保造監督の「この子の七つのお祝いに」(1982 角川春樹・松竹)はチラッチラと目に入ってはいたのだが、それほどいい評価も聴かないので今まで放置していた。
原作は斎藤澪という人だがよく知らない。第一回横溝正史ミステリ大賞を受賞した同名小説の映画化だという。
角川春樹が制作した横溝正史っぽいものを見たくてこれをチェックしたのだが、大物政治家とか女占い師とか、ルポライターとか、女の恨みとか、やはり松本清張っぽいというか社会派っぽい。
音楽は市川崑の金田一シリーズやルパン三世でおなじみ大野雄二だが、冒頭から音楽がいかにもちょっと古い日本映画っぽい抒情。ちょっと嫌。
岸田今日子が娘に自分を棄てた夫への恨みを語って聞かせる場面から始まる。
そして部屋で女が惨殺される。室田日出男、小林稔侍刑事が捜査する。いきなりグロ死体。
根津甚八とか杉浦直樹とか懐かしい俳優たちだらけ。昭和50年代なのであたりまえだが、警察にも週刊誌編集部にもまったくパソコンなどない。ひたすら書類。
殺人事件の背後にいる疑惑のある女占い師と大物政治家を追いかけるルポライター記者杉浦直樹は最初から死亡フラグが立っているのだが、間接の持病に苦しんで発作を起こす。これが事件性があるのか病気なのかよくわからなくて混乱。
戦争から40年しかたってない。あたりまえだが少年時代に戦争を経験してるからか、この時代のおっさんは現代のおっさんと雰囲気がかなり違う。すごく老けて見える。
で、やっぱり殺される。そしてバーのママ岩下志麻が最重要容疑者に見える。殺された母田の墓前で岩下志麻がおいおいと慟哭する演技がなんかすごく違和感を感じる程に大げさ。
根津甚八記者が殺された杉浦に代わって事件を追う。やっぱり古い2時間ドラマの再放送を見てる感覚。
能登で根津が岩下志麻のセーラー服写真を見せられるシーンが爆笑。ショックを受けた根津はふらふらと歩きだしそこに干してある工員のズボンをつかむとか、ツッコみたくなる意味わからない演出。手相って遺伝するの?!
狂った女と出会ってしまったことが男にとって悲劇の始まり。
子役の正確な同一性を保って繰り返されるサンプリングみたいな「おかあさぁーん」の声質が嫌。
つまらなかったw これは見なくてよかった。
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