VIE DE BEETHOVEN by Romain Rollandこの片山敏彦訳はなんと1938年のもの。1965年改版以後に現代仮名遣いに改められたもののやはり古い。しかし、昔の訳ならではの味わいがある。
この本はバンド人間椅子の和嶋慎治氏(G, Vo)をつくった一冊らしいので読んでみた。
自分はベートーヴェンの今日演奏される曲の6割ぐらいはだいたい知っている。
フランスの作家ロマン・ロラン(1866-1944)はベートーヴェンの熱烈な愛好家で研究家。いろいろな本や書簡を読み人間ベートーヴェン像をつくりあげた。これは音楽学の学術書ではない。ベートーヴェンという人の苦難に満ちた生涯を知る一冊。
あれだけ人類史上の傑作を生みだした大作曲家であっても、病苦と超絶貧乏暮らし。底に穴の開いた靴を履く。
自分、ベートーヴェンは耳が聴こえないことに悩んでただけだと思ってたら、4度の手術とか満身創痍。
かつて支援してくれた貴族も次々と死んでいく。疎遠になる。今みたいに印税とか入ってこない。
1816年の段階でモーツァルトもベートーヴェンもウィーンでは過去の人?!当時の流行はロッシーニ?!「フィデリオなんて退屈!」
ベートーヴェンは同時代の作曲家ではケルビーニを高く評価してたって初めて知った。激賞する手紙を書いたのに返事来なかった…。
有名な「ハイリゲンシュタットの遺書」とか初めて読んだ。そして、コブレンツの医師ヴェーゲラー氏との往復書簡。名言集。ロマン・ロランの講演。ベートーヴェンの手記。などから構成。
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