2019年11月27日水曜日

アガサ・クリスティー「ビッグ4」(1927)

アガサ・クリスティー「ビッグ4」を田村隆一訳1984年ハヤカワ・ミステリ文庫(1996年第19刷)で読む。クリスティーマラソン56冊目。
これも100円でゲット。ところどころ茶色く変色してる。
THE BIG FOUR by Agatha Christie 1927
これ、「ゴルフ場殺人事件」に続く長編作品。クリスティを読み込んでる人からもワースト作の声が高い駄作らしい。これは読まないでもいいかと棚に戻し放置してた。

読んでみた印象がジュヴナイルポアロw 世界制服をもくろむ謎の中国人リー・チャンエン率いる秘密結社ビッグ4をポアロとヘイスティングズが追う。(謎の中国人が出てくるスパイスリラー小説なんて本当にあったんだ!w)

アルゼンチンへ渡り成功して英国に戻ってきたヘイスティングズくん、ワクワクしながらポアロのアパートメントへ。旧友との再会を喜ぶポアロが微笑ましい。
するとそこへボロボロになった男が入ってくる。「ナンバーワンは中国人、ナンバー2はアメリカ人、ナンバー3はフランス女、そして、ナンバー4はデストロイヤー」という言葉を残し、やがて死亡。

中国通の元外交官に「ビッグ4」って何?って聴きに行く。ビッグ4に追われてるらしい船員からお金の無心の手紙が来ているとのことで急いでデヴォンシャーの老船員の家に行くとすでに殺されていた。

今度は失踪した科学者の情報を求めてパリへ。女性科学者と面会。こいつの秘書が怪しいと思いきや…、この女性科学者が女賊w 監禁されて絶体絶命。
次々と脈絡なく起こる殺人事件、チェスの対局での不審死、ヘイスティングズの拉致、まるで展開がテレビアニメ「ルパン三世」みたいな感じ。江戸川乱歩の少年探偵団みたいな感じ。

ポアロがジェイムズ・ボンドかドラえもんのごとく最新秘密兵器「ガス弾」を中国人一味に投げつける場面には笑った。

そしてナンバー4デストロイヤーによってポアロ爆殺。失意のヘイスティングズはアルゼンチンへ帰国。ここまで大風呂敷広げて一体どんな着地が?!

ハチャメチャすぎた。クリスティはポアロを早い段階で終えるつもりだったとしか思えない。
だが、自分は荒唐無稽な展開だからこそ意外に楽しめた。

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