2019年10月13日日曜日

辻村深月「冷たい校舎の時は止まる」コミック版

辻村深月(直木賞作家)をまだ一冊も読んだことない。「冷たい校舎の時は止まる」(2004 講談社)もまだ読んだことなかった。

だが、そこに講談社文庫コミック版(新川直司作画 2008年から2009年にかけて講談社コミックスKCDXとして出版されたものを2012年に文庫化)があるので読んでみた。小説で読むとまる1日以上かかるのだが、マンガ版だと半日で読めるw

まったく予備知識なしに読み始めた。たぶん高校を舞台にした日常ミステリーだと予想していたのだが、なんと、ファンタジーホラーだった。

上下巻読み終わった結論から言うと、これ、面白かったですw

高校生たちの新学期が始まる。アイツも停学が明けてかつてのように仲良し8人組がまたそろって学校へ。だが、自分たち以外誰も登校していない。職員室にも誰もいない。チャイムも鳴らない。なんで?
時計がみんな同じ時刻で止まってる。その時間は高校文化祭の日に生徒が校舎屋上から飛び降り自殺した時間だ!だが、それが誰だったのか?誰も覚えていない。

学校の外にどうしても出られない。ケータイでもパソコンでも外部と連絡つかない。ドアや窓を破壊しようとしても傷ひとつつかない。なんだこれ?

やがてひとりずついなくなる。大量の血痕なんかはあるけど、死体はどこにもない。

その地域でNo.1の進学校に通い、しかも学年トップクラスの生徒たちは考える。この中の誰かが自殺して、その意識の内部に閉じ込められている?!

これ、冒頭で登場人物のフルネームとか関係性とか何も説明してくれない。なかなか事実関係が呑み込めない。

登場人物表とかあればいいのに…と思っていた。だが、8人の名前は読み進めていくうちにわかっていく。それこそがこの物語のキモ。ちなみにヒロインの名前は辻村深月だ。

ぼんやりしかわからない状態でもどんどん読み進めていい。最後の方で「オマエ、誰?!」って人物が出てきて驚く。
ひょっとすると原作小説はいわゆる叙述トリックか?

みんな高校生で受験生なのにこれまでの人生がヘビー。家庭環境、受験勉強、恋愛、友情、イジメ、それぞれがトラウマ級の心の傷を負っていた。
受験、貧困、イジメはとくに残酷な現実だなと改めて思った。

ぜったいバッドエンドだろ…と思いながらページをめくっていた。だが、ラストは救済のあるハッピーエンドなので、安心してページをめくっていいw
「うる星やつら ビューティフルドリーマー」と日向坂「Re:Mind」みたいな?スティーブン・キングみたいな?

作画も自分と合っていた。それぞれのキャラクターの描き分けが簡単な線でよく表現できていて感心。

原作小説もいずれ読もうと思うのだが、「長すぎる」という不評も聞く。マンガ版だとそれを感じない。新川直司という漫画家も注目が高いので広くオススメする。

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