2019年10月4日金曜日

本田翼「チェイス」(2017,2018)

2017年から2018年にかけてAmazon Primeで独占配信されたドラマ「チェイス」第1章(全7話)と第2章(全5話)を、8月のお盆に一気見した。

自分、ばっさーオタでありながら、この配信ドラマに何も感心なかったw なので、第1章の内容が巻き起こした騒動をリアルタイムで追ってなかった。

ばっさー目当てに何の予備知識もなく見始めたのだが、え?!これって平成の初めごろの北関東幼女連続誘拐殺人事件じゃん!とすぐにわかった。
自分、いちおう足利事件の概要と冤罪被害に遭った男性についてはニュースで見てたので知ってる。

事件が本当に胸糞悪い。しかしそれ以上に警察への嫌悪感。正確でないDNA鑑定で有罪判決を受け人生を台無しにされた男性。そして、昔のマスコミの被害者遺族への気遣いの無さ。なにもかも思い出しただけで嫌な出来事。

こういうドラマや映画って、「この物語はフィクションです」「登場人物や団体は実在のものと無関係です」とエクスキューズさえしておけばOKなんだと思ってた。だが、このドラマは配信直後から炎上。
この「チェイス」というドラマは、地上波ドラマではできないことをやろう!という意気込みでつくられ、そして史上空前にやらかしてしまったw 

一旦配信停止の後、番組の最後に謝罪と参考文献リストを出すことで和解が成立?しれっと再び配信開始?この事態には多くの人が呆れかえっている。でも、そのおかげで自分は見れた。

シリアスな内容でありながら耐えがたい軽さ。
なかでもヒロイン本田翼の演技には拒否反応を示す人が多すぎた。
本田演じるヒロインはジャーナリスト志望のADなのだが、酔ってる?というぐらいにグダグダくだを巻く演技が異常に個性的すぎた。これは演出家の意図?

自分としては見ごたえがあって面白かった。最大のタブーに挑戦というキャッチコピーに偽りなかったw ドラマの登場人物たちBSニュースでしかできないことをやろうという報道の現場ドラマ。

だが、うっかり感動の名セリフであっても、それは他人の著作からの無断での引用。
ドラマと関係ないところで批判される余地をつくってしまったプロデューサー、脚本家、総監督は責任重大。一生懸命がんばって演じた役者さんたちが気の毒。

こういうのはまずしっかりドキュメンタリーを作って、それから再現ドラマ部を真面目にやるべきだった。いくらフィクションとは言え、自由すぎだし、エンターテインメント要素が強すぎでヤバすぎなドラマだった。
真犯人を追うのは要らなかった。真犯人の頭が見えない加工映像演出は気持ち悪すぎた。子役の少女もこんなの見たら悪夢にうなされる。
そして2018年配信の第2章全5話もイッキ見。人を殺したにも関わらず、刑事裁判で黙秘を貫き、証拠不十分で無罪となった悪女を追う。最初からこの内容だったら誰からも怒られないで済んだのにw

催眠術で人を殺し、刑事裁判の証人にすらも催眠術をかけるという荒唐無稽なサイコミステリードラマ。しかも動機と真相がぶっ飛びすぎw

誰でも他人を指一本と一声で催眠術にかけ自由自在にあやつれたら、そいつは世界を支配してるわ。
だが、第1章も第2章も後日談をだらだらやらず視聴者を放り投げる感じのラストが良い。

第1章では個性的なヘアスタイルすぎて本田がブスだったwのだが、第2章は似合うヘアスタイルで美人本田翼に戻った。

だが、やっぱり誰にも似てないし真似のできない本田ならではの超絶個性的演技がすごいw こんな演技をする女優を他に知らない。
新海監督も本田の演技を予想外すぎたと絶賛していたのが分かる気がする。
とくに、添付ファイルの音声を聞いただけで催眠術にかかり飛び降り自殺をしようとする本田の演技が、空前絶後に見たことのないふにゃふにゃぶりで絶句w
そして、殺された子どもが監禁されていた現場のレポートを嫌がる本田の耐えがたいほどの自由さとウルサさw

本田の美形ぶりとどえらいギャップを感じる自由奔放ヘンテコ演技がある意味衝撃。
よくこれでOKが出たと思う。これを見た世間は本田翼という女優をどう思うだろう?と、見ていてずっと不安になった。

だがそれでもやっぱり本田翼が魅力的だし可愛すぎた。本田翼は演技が評価されてるわけでもないのに女優として理想的なキャリアを積んでいる。不思議だ。
PS. この秋、本田翼主演ドラマ「チート」が始まった。詐欺師VS詐欺師ドラマは昨年の「コンフィデンスマンJP」が新機軸で高評価だった。今回の「チート」が世間からどのような評価を受けるのか不安だ。

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