2019年10月27日日曜日

アガサ・クリスティー「スタイルズ荘の怪事件」(1920)

アガサ・クリスティー「スタイルズ荘の怪事件」(1920)を矢沢聖子訳2003年早川書房クリスティー文庫版で読む。私的クリスティマラソン53冊目。
THE MYSTERIOUS AFFAIR AT STYLES by Agatha Christie 1920

読む本がなくなった!と訴えたアガサは母から「じゃ、自分で書いてみたら」と言われて書いてみた。4社ほど出版を断られようやく出版された記念碑的作品。

これこそがミステリーの女王アガサ・クリスティーの長編推理小説第1作。この作品が名探偵エルキュール・ポアロ初登場作。

これ、15歳ごろ新潮文庫版で読んでるはずだが、もうまったく内容を覚えていなかった。今回読み返してみて、15歳の自分には内容がよく理解できていなかっただろうことがわかった。

今回読んでみたら意外にさらさらと読めた。時代は第一次大戦中?ベルギーからの難民のひとりが元刑事のポアロ氏。
この第1作でヘイスティングズくんはポアロは駅で再会。まだポアロに全幅の信頼を置いているわけではない関係。
この時代の英国貴族は自動車を所有している。だが、まだまだ馬車も交通手段として現役?

ヘイスティングズくんはたぶん30歳ぐらい。15歳年上の友人ジョンの住むスタイルズ荘に滞在中。
ジョンの血のつながらない継母エミリーが、怪しげな男と再婚。この顎鬚に眼鏡の男がスタイルズ荘のカヴェンディッシュ家の人々から嫌われている。

そしてエミリーはストリキニーネで毒殺。長男ジョンはヘイスティングズを経由してポアロに事件の解決を依頼。

クリスティ女史は第1作からクリスティだった。クリスティ作品によくみられる要素が盛りだくさん。そのひとつひとつが面白い。
そう見えていることは真実ではない。クリスティらしいミスリードもあざやか。
だが、その薬学と毒物知識は「そんなの読者はわかるわけないだろう」と思ったw 

ポアロがおしゃれ紳士だけど風変わり。自信満々でありながら一体何を捜しているのかわからないユニーク捜査。ヘイスティングズとのやりとりは英国のユーモア。

事件がかなり複雑。予期せぬハプニングによって犯人が計画を変更し証拠を隠滅するためにさらに複雑化。この犯人の計画は上手くいくはずがない。

ラストの事件の顛末の開陳部分が長い。伏線ひとつひとつを回収するけど、そのすべてには納得いかないかもしれない。読み終わって、もうすでに細かいところは思い出せないw 作家としての語り口の上手さの熟成はまだまだこれから。

ラストでのヘイスティングズは「男はつらいよ」の寅さんみたい。

今の自分にはまずまず面白かったように感じた。「スタイルズ荘」を読んだことで、残るポアロ長編は「アクロイド殺し」「ビッグ4」「ABC殺人事件」「カーテン」「ブラック・コーヒー」の5作のみ。「アクロイド」「ビッグ4」はすでに入手済みなのでそのうち読む。

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