2019年10月7日月曜日

シャーロック・ホームズの冒険(1892)

コナン・ドイルのシャーロック・ホームズの長編3冊を読んだことで、このシリーズに慣れて来たので、ついに「シャーロック・ホームズの冒険」を読む。石田文子訳2010年角川文庫版で読む。

実はこれが一番最初に手に入れたシャーロック。去年の1月に100円で購入したもの。
THE ADVENTURES OF SHERLOCK HOLMES by Sir Arthur Conan Doyle 1892
自分、今までずっとホームズの綴りをHOMESだと思ってた。HOLMESだったと今回初めて気がついた。
12本の短編から成る一冊。では順に読んでいく。

ボヘミア王のスキャンダル
王室スキャンダルもみ消しもベイカー街のホームズのアパートへ持ち込まれる。ボヘミア王の若気の至り。
写真で脅すアイリーン・アドラーという女が登場。ホームズは変装してこの女の住居に潜入。写真の隠し場所をつきとめるのだが相手も上手。
これ、事件を解決ってことになってるけど、根本的な危機は残ったままでは?

赤毛連盟
この短編はかなり有名だと思う。自分も名前は知ってたから。
赤毛という条件だけで破格の報酬を与えられる単調な仕事。だが突然仕事がなくなる。特に経済的被害に遭ったというわけではないけど、その理由は?
真実は別なところにあった!これは今日ではわりと古典化してる話。いろんな小説やドラマでこのパターンは見る。

花婿の正体
結婚式を挙げる直前に失踪した夫を探してほしいという婦人が登場。母親の若い再婚相手(義理の父)の態度と挙動がなにかおかしい…。
これは今まで読んできたシャーロックで一番ムリを感じたw

ボスコム谷の惨劇
英国の小説って植民地で山師的な経歴を持った男が英国に戻って来てきてってパターンが多い。

五つのオレンジの種
クー・クラックス・クランも扱う。当時の世界情勢も入れてくるので世界史副読本にもなる。コナン・ドイルって意外に社会派。

唇のねじれた男
普通に働くより乞食のほうが儲かると気づいた男…って、そんなわけある?

青いガーネット
宝石の紛失盗難事件。これとほぼ同じような話がポアロにもある。

まだらのひも
これはシャーロック初心者の自分も名前は知ってた有名作。なんと凶器はアレだ!

技師の親指
ワトソン博士の元を訪れた急患は親指を切り落とされていた。7年水力技師見習いとして働いてやっと独立開業したら仕事がまったくなく、怪しい仕事に飛びついたら親指を失うとか、読後が嫌な気分。

独身の貴族
花嫁の失踪事件だが…、なんの意外性もないw

エメラルドの宝冠
緊急の融資で英国王室国宝の宝冠を担保にあずかったがために窮地に陥った頭取の話。
これも想定の範囲内の着地。その後のことを多く語らないところは良い。

ぶな屋敷
好待遇と奇妙な条件で田舎屋敷に雇われた家庭教師の女の体験記。予想の範囲内の真相だが雰囲気が良い。

「人を見かけで判断してはいけない」と教育されて来た日本人とは対極にいるのがホームズ。「人は見た目が100%」という決めつけ探偵。どの短編でもぶいぶい吹かしてるw 

この時代の英国なら人々はまだ多様化していないからまだ許容範囲だが、現代日本でこの調子だと「は?」って言われる。ホームズとワトソンのキャラを楽しむ短編集。

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