2019年8月20日火曜日

コナン・ドイル「四つの署名」(1890)

アーサー・コナン・ドイル「四つの署名」を駒月雅子訳2013年角川文庫版で読む。
THE SIGN OF FOUR by Sir Arthur Conan Doyle 1890
こいつが自分にとって2冊目のシャーロック・ホームズ。すでに冒険と回想も手に入れているのだがこちらを先に読む。

いきなりホームズがコカインを皮下注射してる場面があって驚く。ワトソン博士が諫めるのも聴かずに。19世紀ロンドンではコカインは普通に買えたの?!
明晰な頭脳を活かせる場がないと薬物で紛らわすのがホームズ?児童書ではこの場面はカット?
ヴァイオリン、ボクシング、化学研究、そしてコカインの愛用者。そんな設定があったとは知らなかった。

ホームズの元に相談に訪れた美女モースタン嬢は10年前に軍人の父が謎の失踪をしていた。そしてここ数年誰か知らない人から真珠が送り届けられ、その送り主から呼び出されているという。2人まで連れてきていいとの指示。ホームズとワトソンもついていく。

指定された場所でショルトー氏と対面。モースタン嬢が相続するべき財宝の件で兄の元へ。そこで兄の死体を発見。

この作品もヴィクトリア朝時代のロンドンの風俗があまりよくイメージできなくて困った。最後はテムズ川でのボートチェイス大捕り物。

「緋色の研究」と同じようにこの「四つの署名」も犯人の半生が壮絶。動機の独白部分が「モンテクリスト伯」なみに壮大。
「セポイの反乱」って中学生以来ひさびさに聴いた。

推理小説ではなく冒険探偵活劇エンタテインメント。面白さはそこそこに感じた。

2 件のコメント:

  1. ホームズの魅力は短編。「冒険」「回想」「帰還」の3つの短篇集は何度読み返しても面白い。残る「最後の挨拶」「事件簿」は50点ぐらいか。
    4つの短めの長編。人気の「バスカヴィル家の犬」以外は真相の回想が半分あるので少し重いです。
    最初にホームズを好きになったのが「4つの署名」なので愛着があります。ワトソンのラブズトーリーになっているのも魅力です。でもワトスン夫人になったメアリー・モースタンが、「回想」と「帰還」の間に別れるか、死別するかして(詳細は不明です)別の女性が2度目の妻になっているのが哀しいです。
    ドイルも実生活で妻を病気で失い、再婚しているので、そのあたりが反映しているのでしょうか。

    それにしても「ピュア」の浜辺美波は貧乳まで受け継がなくてもよかったのに!

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    1. バスカヴィルと冒険も読んだので、いずれ感想を書きます。帰還と谷も探してます。
      ワトスン夫人に何かが?!

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