西尾維新「掟上今日子の備忘録」(2014 講談社)を読む。第7作「家計簿」(2016)が面白かったので第1作を読む。
この探偵ヒロインは忘却探偵。1日で記憶がリセットされる。眠ってしまうと前日のことをまったく忘れてしまうため事件を1日で解決しないといけない。なので自分への申し送りを腕や足など自分の皮膚にサインペンで書いておく。こんな探偵はおそらく世界にも類がない。
「家計簿」がヒロインと刑事による短編集だったのだが、この第1作は隠館厄介(かくしだてやくすけ)という不幸な青年が主人公。掟上さんと同じ25歳という設定。
第1話「初めまして、今日子さん」
隠館くんが勤める研究所でのSDカード紛失事件。自分が疑われてる?!という状況で置手紙探偵事務所の掟上さんを現場に呼び出す。
隠館くんはこの事件以前に掟上さんのお世話になったことがあるらしい。だが覚えていないので現場で「初めまして」となる。
睡眠薬で探偵を眠らせようとする禁じ手を使った犯人を策略で追い詰める。
この真相と動機を自分はまったく予想できなかった。
第2話「紹介します、今日子さん」
漫画家の自宅から現金100万円を盗まれ返還のために1億円を要求されるという事件。これも自分にはそれをまったく予想できなかった。
第3話「お暇ですか、今日子さん」
第3話から第5話までは老推理作家の死をめぐる話。作家が死亡していることを知らせずに掟上さんと未発表原稿の隠し場所を探す。これも自分はそれを予想できず。
これを読んでガッキー主演ドラマ版のこの回だけはなんとなく見たことがあったと思い出した。
第4話「失礼します、今日子さん」
作家の死に不審を感じた編集者が掟上さんに調査を依頼。掟上さんは作家の全著作100冊を寝ずの読破に挑戦。
第5話「さよなら、今日子さん」
順調に読破を続けていたのだが徹夜がつづくとペースが落ちる。眠気をさますためのシャワー中に掟上さんは浴室で昏睡してしまう。
隠館くんも眠ってしまい、気づけば掟上さんは水を浴び続けて低体温症の危機!
もはや続行は不可能と判断した隠館くん、信義に反する隠ぺい工作で仕事はなかったことに偽装。
だが…、掟上今日子という人物は記憶を失ったとしても恐ろしいほどの頭の良さで、何が起こったかを見極める。
自分、ガッキーで脳内再生しながら読んでいたのだが、あまりガッキーは掟上さんのキャラと合っていないように感じた。
第5話ではシャワー中に昏睡した掟上さんを救助するため隠館くんが奮闘するのだが、全裸の掟上さんをベッドに運び、下着とパジャマを部屋から探し出し着せるという、画的にかなりヤバい状況。どうしたって全裸のガッキーを連想w
内田康夫「贄門島」で浅見光彦もこんなシーンあったな。
この「備忘録」もやっぱり面白かった。なので次も読む。読み進んだらガッキー版ドラマも見る。
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