島田荘司「ロシア幽霊軍艦事件 名探偵 御手洗潔」(2001)という本がそこにあったので手に取った。面白そうなので連れて帰った。今回自分が手に入れたものは2015年新潮文庫nex版。100円でゲット。
自分、島田荘司という推理作家の本をまだ1冊も読んだことがなかった。出会ったこともなかった。今回、島田荘司の作品を初めて読んだ。
この本、真ん中あたりまでは面白かった。箱根富士屋ホテルと古写真に写る芦ノ湖とロシア軍艦の件とか。わくわくできた。だが、正直この本は自分と合っていなかった。
本格推理ものを期待していたのに、歴史ファンタジーSF小説だった。「ローレライ」みたいな感じ。
文体がとても平易でサクサクめくれる。内容が薄っぺらい。
この本が自分にロシア革命とシベリア出兵、アナスタシア皇女真贋論争などについていろいろと教えてくれた1冊となってくれたのだが、まるでラノベ小説だった。
とくにアナスタシアとクラモチの会話はファンタジーSF小説の翻訳文体そのもの。島田荘司はかなりのベテラン作家なのでもっと重厚な文体を勝手に想像していた。だが、かなりライト。読むスピードを上げて読み飛ばした。
なので大人の読者には薦められない。ぶっちゃけ島田荘司という作家の評価が1冊目にしてマイナスからのスタートとなった。
中高生なら楽しくわくわくして読めるかもしれない。ロシア大好き佐々木琴子には「ボルシェヴィキと赤軍だけは信じるな!」と言いたい。
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