2018年2月1日木曜日

コリン・デクスター「ウッドストック行最終バス」(1975)

コリン・デクスター「ウッドストック行最終バス」を読む。これが自分にとって2冊目のデクスターだが、この作品こそがデクスターの長編第1作。
LAST BUS TO WOODSTOCK by Colin Dexter 1975
今回読んだのは大庭忠男訳1988年版ハヤカワ・ミステリ文庫の2009年第16刷。読み跡のほとんどないキレイな1冊だったのだが100円でゲット。たぶんこの1冊が一番手に入り安いデクスター。

酒場の駐車スペースで若い女性の乱暴された形跡のある惨殺死体が発見される。おなじみモース警部と相棒ルイスが捜査開始。

話が複雑でなかなか見えてこない。そもそも英米文学の文体は日本語訳であってもなかなか頭に入ってこない。英語の長文読解が受験生を苦しめるのも当然。

日本人がこの本を手に取って最初に驚くのがウッドストックってニューヨークじゃなくて英国にあるのかよ!ってこと。英国の常識はまだまだ日本人にはなじみがない。

読み終わってからストビューで、オックスフォードーヤーントンーウッドストックの幹線道路の様子や街並を見てみて、ああ、ウッドストックってこんなだったのか!って知った。
本当に今はストビューで世界中どこでもすぐに調べられて便利。

モース警部がアクロバティックな論理と推理で仮説を立て、潰され、新たな事実を出してくる。こいつが英国では人気キャラらしいけど、頭髪は薄く中年太りぎみ。頭の良さを鼻にかけ尊大で傲岸不遜なのにわりとポンコツ。違法で強引な捜査もする。こいつの部下のルイスに同情しかない。

それに捜査上知り合った若い魅力的な女の子と親密になろうと必死すぎで引くw

それにしても英国の警察官は酒を飲みすぎ。ちょっとの合間にも酒!酒!の連続で驚く。
そして英国男たちの性欲の強さ!w どんだけ女が好きやねん!たぶんそこが世界の海へと繰り出した根源。

この作品は犠牲者と一緒にいた娘Xの正体が誰か?に収束していく。様々な偶然が重なって悲劇へと落ち込んでいった様子が最後に語られる。

爽快感はないけど重苦しい良質なサスペンス映画を1本見終わったような満足感があった。
たぶん1回読んだだけではよく理解できていない。だが、2回目に読むのは何年も先だろうと思う。

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