2018年1月13日土曜日

魔夜峰央「翔んで埼玉」

魔夜峰央「翔んで埼玉」は1982年から83年まで「花とゆめ」別冊に3回にわたって掲載された短編なのだが、2015年12月に宝島社から復刻され話題になった1冊。
この復刻版はわりと売れたらしくて中古で100円でみつけるのが難しくない。自分も100円で拾ってきて正月に読んだ。

魔夜峰央は新潟から上京したさいに、編集者にダマされ所沢に4年間住んだらしい。たぶん当時はまだ西武ライオンズは存在してない。
「この物語はフィクションで実在する人名団体名、地名とはまったく関係ありません」と断りつつ、埼玉を激しくディスる。

白鵬堂学院の自治会長・白鵬堂百美による埼玉への罵詈雑言が酷い。酷すぎて、これは当時世界から非難をあびていたアパルトヘイト南アフリカを風刺した作品か?と思った。人を住んでる場所でダサいナウいで批評してた80年代の東京人側をむしろ風刺した作品かもしれない。

だが、そんなことを考えても無駄なギャグ漫画。そのまま楽しむしかない。
自分、飯能や西武沿線の山々を歩いていていつも思うのだが、なぜ武蔵国を東京と埼玉に分けたんだろう。その一方で奥多摩はもともと相模国で韮山代官の治める土地だったのに。

「翔んで埼玉」は本の半分ほどで終わる。あとは「時の流れに」というSF短編と、「やおい君の日常(的でない)生活」というちょっとした日常ミステリーっぽい短編も収録。
これが「翔んで埼玉」よりも作品として甘いと感じた。きっと「翔んで埼玉」よりも古い作品だろうなと感じたのだが実際は1984年の作品だった。

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